北斗大野小　ＩＣＴで引き渡し訓練　緊急時の安全な下校へ　児童情報をスムーズに共有

（学校 2023-05-19付）

受付では児童の安全確保のため、引き渡しカードに記載されている保護者を確認

　【函館発】北斗市立大野小学校（本庄伯幸校長）は１３日、災害時等に保護者が児童を迎えに行く「引き渡し訓練」についてICTを活用して取り組んだ。グーグルスプレッドシートの同時編集機能を生かし、各教室の教職員と保護者対応を行う教職員が引き渡す児童の情報をスムーズに共有。学年によって発達段階の異なる児童が緊急時安全に下校できるよう、検証改善を図った。

　同校では北斗市内で実施している土曜授業の一環として、災害時や不審者発生時など児童が通常下校できない事案発生時に備え、３年前から引き渡し訓練を実施。過去２回の実施では、体育館に集合した児童と迎えに来た保護者を引き渡す方法としていたが、低学年児童では準備に時間がかかるなど、円滑に対応ができない課題があった。

　こうした課題を踏まえ、本年度は試行的にＩＣＴを活用。グーグルスプレッドシートの同時編集機能を効果的に活用し、各教室にいる担任教諭と玄関前で引き渡し対応をする教職員、保護者の受付をする教職員に分かれて連携を取り、児童が迅速かつ安全に下校できるような体制を取った。

　当日は午前１０時の開始に伴い、２３０家庭の保護者が列に並んだ。受付担当の教職員は児童の保護者であることを確認するため、事前に各家庭へ配布した引き渡しカードで対象児童を確認。受付完了後、全校児童の氏名を記載しているシートを黄色に編集し、各教室にいる担任へ合図を送った。

　担任は色が変わった児童を端末上で確認。下校を促したあと青色に編集することで、玄関先にいる教職員に引き渡し対象の児童を知らせた。

　訓練は約１時間で完了。保護者へ引き渡した児童の名前は緑色に変更する仕組みとなっている。家庭の事情で保護者が来校できない児童は教職員付き添いのもと下校させた。

　今回の訓練について、野呂宜正主幹教諭は、離れた場所にいる教職員同士で状況を確認できることで、不要な手間を省ける」と効果を実感。

　一方、回線状況に関する課題も見られため「今後検証を重ねていきたい」と話した。

(学校 2023-05-19付)