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釧路湖陵高普通科新学科設置へ　世界で活躍する人材を　事業推進へコンソーシアム
（学校 2023-05-31付）

釧路湖陵高　普通科改革支援事業コンソーシアム

　【釧路発】釧路湖陵高校（塙浩伸校長）は「令和の日本型学校教育」における普通科改革を踏まえた「普通科新学科設置」に向け各種取組を進めている。３月下旬には、同校で新時代に対応した高校改革推進事業（普通科改革支援事業）釧路湖陵高校第１回コンソーシアムを開いた＝写真＝。コンソーシアム登録メンバーら約７０人がハイブリット形式で参加。先進校等の取組状況や同校の探究活動の様子を報告することで、事業の円滑な推進に向け共通理解を図った。

　コンソーシアムは、普通科改革支援事業の趣旨を踏まえコンソーシアム登録メンバーの共通理解を図るとともに、総合的な探究の時間などに係る同校教育活動の改善・充実に向け探究協議を行うもの。

　開会に当たり塙校長があいさつ。「世界で活躍する人材育成を目指した学習環境の充実に向けて、関係機関の皆さんと“協働”を進めていくために忌憚のない意見をいただきたい」と協力を求めた。

　引き続き、事業運営に関して客観的に指導助言を行う運営指導委員会の委員を務める道教育大学教職大学院教育学部の赤間幸人特任教授が「学際領域に関する学科における探究活動と目指す資質・能力」と題して講演した。高校改革の全体像や学習指導要領に基づくこれからの時代に求められる資質・能力などを示した。

　引き続き、道教委高校教育課の前野文繁主査による講話。「新時代に対応した高等学校改革支援事業（普通科改革支援事業）概要について」と題し、コンソーシアムの役割や事業の趣旨・概要について説明した。

　このあと、塙校長と古野輝昭副校長、木元秀子教育コーディネーターによる道外先進校等の取組状況等に関する報告などを通じて、事業の関係者であるコンソーシアムメンバーに共通理解を図った。

◆西別川水系の魚類を調査　探究活動の成果を披露　会合で普通科の福田さん

　同校普通科２年生（当時）の福田兼三さんは、新時代に対応した高校改革推進事業（普通科改革支援事業）釧路湖陵高校第１回コンソーシアムの中で、探究活動の成果発表を行った＝写真＝。「西別川水系におけるカワマスと在来イワナの交雑について」をテーマとして、西別川水系の本流・支流で行った調査結果などを報告し、探究活動の成果を披露した。

　福田さんは、自然豊かな鶴居村で生まれ育ち魚に関心を抱き「サケ科の魚類を全種捕獲したい」という思いから「西別川水系におけるカワマスと在来イワナの交雑について」とテーマを設定。イワナ属のサケ科魚類（アメマス、オショロコマ、カワマス）を対象として、昨年７～１２月の間に西別川本流３地点、２支流１地点ずつ計５回の調査を行い、交雑種の個体数把握に努めている。

　この日、コンソーシアムメンバーら７０人に探究活動の成果として採取した各種の個体数を記録した結果等を報告した。調査の結果、１つの支流から未同定の個体を確認し、「オショロコマとカワマスが交雑している可能性がある」と考察した。

　このほか、今後の活動内容について「地点を変えた継続調査」「明らかな両種の形質を持つ交雑個体の採取」などを示した上で、今後も継続した探究活動に努めていく姿勢を強調した。

　このあと、参加者から福田さんに対する質問が寄せられた。「プロモーターや協力機関の立場から協力できるところはあるか」という質問に対して、福田さんは「技術的・設備的援助の機会があれば多くのことを教授していただきたい」と答えた。