札幌市教委　目指すＣＳ案　さっぽろっ子自治的な活動　運営協と接続　小中一貫した教育と連動も

（札幌市 2023-06-02付）

　札幌市教委は、市が目指すコミュニティ・スクール（ＣＳ）案をまとめた。“札幌らしい”特色として、各校の児童会・生徒会で進めている「さっぽろっ子自治的な活動」と学校運営協議会をつなげること、小中一貫した教育との連動を掲げた。６年度以降、小・中学校９６パートナー校区で導入に向けた検討・調整を行う方針だ。

　小中一貫した教育の一層の充実などにつなげるため４年度からＣＳの導入に向けた検討を開始。

　札幌らしいＣＳの在り方検討会議でのこれまでの意見や子ども基本法の理念などを踏まえ、５月３０日の第３回会合で市が目指すＣＳの在り方を案として示した。

　“札幌らしい”ＣＳの特色として「さっぽろっ子自治的な活動と学校運営協議会をつなぐ」「小中一貫した教育との連動」の２点を位置付ける考え。

　各学校の児童会・生徒会では現在、さっぽろっ子宣言「プラスのまほう」に基づいた自治的な活動を進めている。この活動と学校運営協議会をつなげることで、子どもの声を学校運営に反映させる仕組みを構築する。

　具体的には、学校運営協議会の場で子どもが思いを発表したり、児童会・生徒会企画のアンケート結果を学校運営協議会と共有したりするなどの取組を想定している。

　また、４年度から全市で導入した小中一貫した教育と連動させ、パートナー校・地域での取組を推進することで子どもと社会をつなぐ窓口とする。

　ＣＳの導入によって①子どもの意見を聴く②子どもにとって必要なアクションを考える③子どもにとって必要なアクションを実行する④子どもに取組をフィードバックする―のサイクルを定着させ「こどもまんなか」社会の実現を目指す。

　このほか、保護者、ＰＴＡ、ＮＰＯ、民間企業、団体、個人など幅広い地域住民が参画し子どもの学びや成長を支える「地域学校協働活動」と一体的に推進していく考えを示した。コーディネーターの役割を担う地域学校協働活動推進員が学校と地域をつなぎ、学校運営協議会で熟議された必要な取組等を地域全体で形にしていく。

　６年度以降、９６パートナー校区で導入に向けて必要な検討および調整等を行う予定。幼稚園、高校、特別支援学校についても、園・学校の特性に準じて導入を検討していくとした。

　市教委では、指導主事による相談・助言等のフォローアップ体制の推進、研修の実施、事例集の作成、コーディネーターの配置、積極的な情報発信などを通して、導入前後の継続的な伴走支援に取り組んでいく方針。

(札幌市 2023-06-02付)