４年度札幌市子どもアシストセンター　相談２割増１１３６件　友人関係や精神不安の悩み多く

（札幌市 2023-08-25付）

　学校生活などの悩みを抱える子どもたちの相談に対応する札幌市子どもの権利救済機関「子どもアシストセンター」は、４年度の活動状況をまとめた。相談の実件数は１１３６件で前年度比１９・８％増加し、友人関係や精神不安に関する悩みが多かった。同センターは、無料通信アプリのラインで気軽に相談できるようになったことや、広報活動を強化したことなどが増加につながったと分析している。

　同センターは、１８歳未満の子どもやその保護者から、いじめや暴力、友人・親子関係などに関する相談をラインや電話、メール、面談で受けている。

　４年度に寄せられた相談は前年度と比較して２割増えた。相談者や内容の重複も含めた述べ件数は２７０５件だった。

　同センターによると、ラインの２次元バーコードや電話番号を記載した相談カードを、春と秋の年２回配布するなど広報活動を強化したことが相談件数の増加の要因とした。

　このうち７７４件が子どもからの相談で、全体の６８・１％を占めた。

　内訳は中学生が３１８件と最も多く、小学生は２８７件、高校生は１０７件だった。母親からの相談が２９１件で全体の２５・６％。

　子どもからの相談内容は「友人関係」が３８８件（２１・７％）と最も多かった。次いで「精神不安」が２０６件（１１・５％）、「親子・きょうだい関係」が１４０件（７・８％）で、同様の傾向が続いている。

　保護者からの相談内容は「不登校」が１４４件（１５・７％）と最も多く、次いで「子どもと教師の関係」が９０件（９・８％）となっている。

　相談方法は、ラインが６３・８％と半数以上を占めた。ラインによる相談を始めた２年度は３９・５％だったほか、３年度の４８・１％から１５・７ポイント増加していることから、定着してきたことがうかがえる。

　同センターの品川ひろみ市こどもの権利救済委員が２２日、秋元克広市長に４年度の活動状況報告書を提出した。

　秋元市長は「引き続き、悩みを抱える子どもたちにアシストセンターを知ってもらえるよう活動してもらえれば」と述べた。

　また同日、市議会の飯島宏之議長にも報告書を提出した。

(札幌市 2023-08-25付)