グローバルリーダー育成キャンプ　世界へ 議論の夏合宿　データもとに札幌市立高生

（札幌市 2023-08-24付）

グローバルリーダー育成サマーキャンプ

　札幌市立高校学校間連携プログラム「グローバルリーダー育成サマーキャンプ」が８月上旬の３日間、市内の産業技術教育訓練センターで開かれた。「世界をみつめる、議論の夏合宿」をテーマに、日本や世界の時事的な話題に関する議論演習を展開。高校生ら２７人が参加し、主張・データ・論拠を明確にして意見を発信するなど建設的に議論を交わした。

　市立札幌開成中等教育学校が、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール（ＳＧＨ）の一環として開始したもので、ことしで９年目を迎える。現在はスーパーサイエンスハイスクール（ＳＳＨ）で目指す人材育成に向けた取組として推進しており、市立高校学校間連携プログラムにも位置付けられている。

　日本や世界情勢、環境の変化などに対応すべく、日本と世界、技術革新と支援について学ぶとともに、対話型のレクチャーを通して「世界で活躍するために必要な教養や想像力」を身に付けさせることがねらい。

　市立高校や近隣のＳＳＨ指定校の生徒が対象で、札幌開成中等教育、市立札幌旭丘高校、札幌日本大学高校、立命館慶祥高校の４校から２７人が参加した。

　３日間を通したメインプログラムは「議論」。主張・データ・論拠を明確にして意見を発信することや、他者の意見を踏まえて自分の考えを整理したり議論を進行したりする重要性について演習を通して学び、国際社会で活躍できる力を身に付けさせることを目指した。

　講師は、国際協力機構（ＪＩＣＡ）の豊田雅朝さんと藤田恵理さん、ＪＩＣＡ勤務経験のある公認会計士・税理士の町田英之さんの３人が務め、議論の進め方、国際社会や経済の現状などについてレクチャーした。

　最終日の議論演習では「日本は核兵器を持つべきか」「札幌オリンピックを誘致すべきか」をテーマにグループごとに話し合った。

　生徒たちは「オリンピックが開催されると世界中から人が来るし、雇用が創出されて景気が上がる」「オリンピックによる経済効果は短期的。長期的な視点で効果が見込めるものに投資した方が良い」などと建設的に議論を交わした。

(札幌市 2023-08-24付)