札幌市小学校長会４年度研究成果　研究集録から　第８回　教育環境部・下

（札幌市 2023-08-24付）

▼４年度

　２年次は前年の成果と課題を踏まえ、研究主題、研究の視点や小部会のテーマに沿ってより質の高い話し合いを目指した。研修会も単なる各校の実践交流で終わることなく、事例から一歩踏み込み、どの学校でも活用できる汎用性のある研究となるように、共通する「校長の指導性と役割」について検証してきた。また、３年度小部会で共通テーマとした新型コロナウイルス感染症防止対策としての「学校の新しい生活様式」を踏まえた教育環境の整備については、第４小部会での課題とした。

・視点１　実際の事例から、望ましい取組の在り方を明らかにする

・視点２　実際の校長の関わりから、望ましい校長の果たす役割を明らかにする

▽第１小部会「環境部会」

　児童・学校、地域の特色や施設面を含めた環境を生かしていくための研究へ。

・テーマ「施設・設備を活用した教育活動」

・１０月研究大会提言内容＝民間施設を活用した水泳学習

▽第２小部会「ＩＣＴ環境部会」

　「学校の新しい生活様式」を踏まえた教育環境やＧＩＧＡスクール構想の具現化に向けたＩＣＴ整備と活用を推進していくための研究へ。

・テーマ「ＧＩＧＡスクール構想を中核としたＩＣＴの安心で効果的な活用に向けて」

・１０月研究大会提言内容＝ＩＣＴの効果的な活用の取組と校長の関わり

▽第３小部会「連携・協働部会」

　幼保小の連携や小中一貫した教育活動、学校事務の共同実施の活用・連携を推進していくための研究へ

・テーマ「地域等との連携・協働の強化」

・１０月研究大会提言内容＝校種間連携における校長の役割（幼保小連携・小中一貫した教育）

▽第４小部会「防災・危機管理部会」

　予期せぬ危機に対しても即座に対応できるように、今まで以上に危機管理能力を高めていくための研究へ。

・テーマ「防災・管理」

・１０月研究大会提言内容＝通学路の安全確保のための望ましい校長の果たす役割

▽学校施設見学

・駒岡小＝特認校の校舎見学

・稲穂小＝ＩＣＴ環境の校内見学

・二十四軒小＝新設校舎の見学

　見学する目的を変え、様々な学校環境をじかに見ることができて大きな学びとなった。

▽デジタル教科書研修会

　実際の授業で使っている様子や、様々な機能の紹介などがあり、大変勉強になった。

▽各視点の成果と課題

・視点１の成果

　研究を通して「校長の役割」としては、自校の「実態の把握」「課題の発見」「危機への管理」が必要であることが明らかになった。

・視点２の成果

　研究を通して「校長の指導性」としては、取組の「統括と決断」「成果の見極め」が大切であることが明らかになった。

・課題

　「実態の把握」「課題の発見」「危機への管理」「統括と決断」「成果の見極め」という５つの役割・指導性については、今後も様々な事例に当てはめて、その有用性や妥当性についての検証を重ねていき、汎用性のあるものとしていく。

【研究のまとめ】

▼３年度

　新型コロナウイルス感染症対策としての「３密回避の配慮」と、ＧＩＧＡスクール構想による「ＩＣＴ活用の工夫」を共通テーマとした。それぞれの小部会交流で実践発表を重ねながら「校長の指導性と役割」について視点１、２を通して検証してきた。

▼４年度

　小部会交流での実践発表を単なる事例紹介ではなく、どの学校でも活用できる汎用性のある研究にできるように進めてきた。共通する「校長の指導性と役割」について研究を深め、望ましい学校経営の在り方を明らかにしてきた。

　校長の役割、自校の「実態の把握」「課題の発見」「危機への管理」。校長の指導性、取組の「統括と決断」「成果の見極め」。その有用性や妥当性について検証を重ねて汎用性のあるものへ。

(札幌市 2023-08-24付)