札幌市教委など 防災教育セミナー　枠にとらわれず活用を　さっぽろそなえ箱テーマに

（札幌市 2023-08-25付）

防災教育セミナー

　札幌市教委と札幌市危機管理局は８月上旬、ＫＴＰガーデンシティＰＲＥＭＩＵＭ札幌大通で５年度防災教育セミナーを開催した。道防災教育アドバイザーなどを務める住友静恵氏が講演し、本年度市が作成した防災教育教材「さっぽろそなえ箱」の活用方法などについて解説した。

　市は本年度、防災教育教材を改訂し、デジタル教材「さっぽろそなえ箱」を作成。授業の目的や時間に応じてスライド、写真、動画などを教員が自由にカスタマイズでき、より幅広い活用が可能となった。

　セミナーでは、防災教育の取組をより一層推進することを目的に、さっぽろそなえ箱の活用方法を中心に説明、講演などを行った。

　開会あいさつに立った市教委の廣川雅之児童生徒担当部長は、研究開発事業「防災教育の推進」が３ヵ年研究の最終年度を迎え、モデルカリキュラムの作成に着手することに触れ「今後も学校や関係部局と連携しながら、子どもが自ら危険を予測し、回避する実践力を育む防災教育を積極的に推進していく」と述べた。

　続いて、市教委児童生徒担当課の湯澤将武指導主事が５年度学校教育の重点に基づき市の安全教育の推進について説明。危機管理局防災推進担当課の吉野隆司地域防災担当係長がさっぽろそなえ箱の概要について紹介した。

　また、住友氏が「生きる力を育てる“さっぽろそなえ箱”の活用」と題して講演した。

　防災教育を推進するに当たっては「子どもがキーパーソンとなる」と強調。防災について大人になっても自ら学び続ける力を育成するため、子どもが楽しみながら防災教育に触れる重要性を伝えた。さらに、子どもが学んだ内容が次代に引き継がれていくことで、地域の防災力強化にもつながるとした。

　推進する上でのポイントとして「災害の特徴を把握して活用すること」「学習テーマに興味を持たせるための導入としての活用」の２点を提案し、「肩肘張らずに取り組むことがこつ」と述べた。

　さっぽろそなえ箱の活用例を各教科等、活動別に紹介。小学校社会「くらしを支える情報」では、災害の警戒レベル、在宅避難などの避難方法について解説するスライドが活用できることなどを説明した。

　さらに、さっぽろそなえ箱について「枠にとらわれず、皆さんのアイデア次第で様々な活用ができる」と述べ、積極的な活用を呼びかけた。

(札幌市 2023-08-25付)