部活動地域移行等検討委が初会合　地域クラブへ体制整備　適正な運営、効率的活動推進

（札幌市 2023-08-30付）

部活動地域移行等検討委

　札幌市の部活動地域移行および地域スポーツ・文化芸術活動の機会確保に向けた検討委員会の初会合が２８日、ＯＲＥ札幌ビルで開かれた。国の部活動改革の経緯、市内中学校部活動の現状や取組について確認。今後の方向性として、事務局は「学校部活動の適正な運営や効率的・効果的な活動の推進」「学校部活動の地域連携ならびに地域の運営団体・実施主体による地域スポーツクラブ活動および地域文化クラブ活動への移行に向けた体制整備」の２点を視点に検討を進めていく考えを示した。

　開会に当たり、市教委の檜田英樹教育長は、札幌市の実情に合った部活動の望ましい在り方、地域と連携・協働した新たなスポーツ・文化芸術活動の機会の創出などについて忌憚のない意見を呼びかけた上で「札幌市がどのように動くかによって、北海道の部活動の在り方に関する大きな方向性につながるのでは」と述べた。

　続いて、事務局が国における部活動改革の経緯、札幌市における中学校部活動の現状や部活動改革の取組などについて報告した。

　市内の中学校９７校に通う４万４３５６人のうち、部活動に参加しているのは６２・２８％の２万７６２３人。平成２５年度と比較すると、全体の生徒数は８２５人減なのに対し、部活動部員数は２７４０人減と、部活動に参加する生徒の減少率が顕著となっている。

　運動部活動の設置状況をみると、野球、男女バスケットボールなどは全区で設置されている一方、小学生にニーズの高かったスキー、水泳、体操などは区によっては設置されていない。文化部活動については、全区で設置されているのは吹奏楽、美術のみとなっている。

　また、市の取組として、部活動指導員といった外部人材の活用、学校間連携方式の実施、スポーツ庁の委託を受けて実施している実践研究などを紹介した。

　委員からは「生徒のニーズは常に変化する。部活動への向き合い方が変わったときにどう対応するかが課題」「学校が活動場所となる場合、外部が指導する体制になっても、学校管理上の理由で結局管理職が出勤しなければならないことになれば意味がない」「小・中・高の連携も視野に入れて検討していく必要がある」などの意見が上がった。

　最後に、事務局が今後の方向性について①学校部活動の適正な運営や効率的・効果的な活動の推進②学校部活動の地域連携ならびに地域の運営団体・実施主体による地域スポーツクラブ活動および地域文化クラブ活動への移行に向けた体制整備―の２点を視点に検討を進める考えを提示。

　次回は１０月ごろに開催し、①に関連して学校間連携方式・合同部活動の充実、スポーツ・芸術文化団体との連携、部活動指導員の増員を見据えた専門性を有する指導者の確保などについて協議する想定だ。

(札幌市 2023-08-30付)