札幌市教委 部活動地域移行アンケート 中学校教職員 9割501人が「負担」 「兼職兼業したくない」7割
(札幌市 2023-08-30付)

表
市内中学校教職員が部活動の顧問について負担に思う点(クリックすると拡大表示されます)

 札幌市教委は、児童生徒や教職員らを対象に実施した部活動の地域移行に関するアンケート調査結果をまとめた。部活動顧問を担当する中学校教職員のうち、9割を超える501人が「負担に思うことがある」と回答。地域移行後も兼職兼業で部活動指導に従事したいかとの質問に対しては、7割近くが「従事したくない」「できれば従事したくない」と答えた。

 28日に開かれた第1回部活動地域移行および地域スポーツ・文化芸術活動の機会確保に向けた検討委員会で示したもの。

 市教委は、部活動の地域移行に向けて現状を把握・分析した上で今後の検討に向けた参考とするため、小学3年生~中学3年生とその保護者、中学校教職員を対象にアンケート調査を実施。7月中~下旬にかけてウェブ上で行い、小学3~6年生3836人、その保護者4902人、中学1~3年生4996人、その保護者3107人、中学校教職員790人から回答を得た。

 小学生の調査結果をみると、中学生になったらやってみたいと思う活動について、スポーツではスキーが1512人、トランポリンが1499人、バドミントンが1217人と上位を占めた。文化系活動ではパソコン(プログラミング)が1501人と最多で、調理が1353人、eスポーツが1273人と続いた。一方、スキーと調理は区によっては部活動がなく、トランポリン、パソコン、eスポーツは全ての区で設置されていない。

 「どれくらいの種類のスポーツ・文化系活動に取り組みたいか」との質問では「スポーツと文化系活動を両方経験してみたい」が最多の1317人となった。

 中学生の調査結果では、今の部活動に対する要望として「試合(練習試合)やコンクール(合同練習会)等の回数を増やしてほしい」(1355人)、「初めての人でも気軽に参加できるような、楽しむことを中心とした活動をしたい」(1121人)、「専門の指導者から教えてもらいたい」(1014人)など多様な意見が上がった。

 また、部活動を推進する上で勝利至上主義の過熱化が課題の一つとなっていることから、児童生徒の意向を把握するため小・中共通の質問項目を設定。「大会やコンクールに出場して、勝利や優勝を目指して頑張りたい」と回答したのが小学生で1401人、中学生で2041人といずれも最多となった。一方、小学生は「大会やコンクールに出場しなくていいので、仲間と活動を楽しみたい」(1387人)と意見が二分したのに対し、中学生は最多の意見が6割近くに上った。

 保護者の調査結果では、休日の地域スポーツ・芸術文化活動に参加する場合の最適な参加費等(月額)について、小学生は5000円が最多で865人、3000円が664人。中学生は3000円が436人、5000円が381人となった。

 教職員の調査結果では、部活動顧問を担当する556人中、顧問を負担に感じると回答したのは501人と9割を超えた。具体的に負担感を感じる点については「平日の勤務時間を超えた活動」(399人)、「休日の活動や引率業務」(399人)、「家族との時間がない」(294人)、「保護者対応」(279人)などが上位に。

 地域移行後も兼職兼業で指導に従事したいか、との質問では「従事したくない」(384人)、「できれば従事したくない」(164人)が合わせて7割近くに上った。

(札幌市 2023-08-30付)

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