札幌市まちづくり戦略行動計画案　エアコン整備に１４０億円　６年度から３ヵ年で３００校に

（札幌市 2023-09-19付）

　札幌市は１５日、９年度までの行財政運営の中期実施計画「市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン２０２３」案を発表した。教育関連をみると、今夏の猛暑を受けて、市立幼稚園と学校にエアコンを整備するための費用約１４０億円を計上した。来年度から３年かけて約３００校に設置する計画。現在小学６年生までとしている子どもの通院医療費の助成対象を、高校３年生まで段階的に拡大する方針なども盛り込んだ。

　同プランは、秋元克広市長の選挙公約に基づき、本年度から５年間の具体的な施策を網羅するもの。総事業数は６００事業で、子ども・子育て施策などに重点を置いた。計画事業費は１兆７８５４億円で、前回の同プラン２０１９と比べて３６％の増額。学校施設の建設事業費や、除排雪経費の増加などが要因となっている。

　教育関連をみると、市立幼稚園と学校への冷房施設整備事業に１３７億６０００万円を投じる。各校の電気容量を調査した上で、年間１００校ずつエアコンを設置する方針。設置が完了するまでの緊急対策として、本年度中にエアコンが未設置の保健室約３００室への整備を優先的に進める。また、工事不要の移動式スポットクーラーを普通教室約４０００室に設置し、６年度までに全普通教室への整備を終える。

　このほか新規事業として、小学校高学年向けの企業訪問型の職業体験事業に１９００万円を措置する。不登校児童生徒が自主学習に取り組む「教育支援センター」が未設置の東区など４区にサテライトを開設するため、５６００万円を計上した。外部人材を活用した支援の拡大を目指す。

　子育て関連は、子どもの医療費の助成対象拡大に５２億４０００万円を充てる。市では現在、０歳～小学６年生までの通院医療費について、初診時の一部負担金を除き、所得制限付きで無料としている。６年度から中３まで、７年度から高３までの２段階に分けて対象を拡大し、保護者負担の軽減を図る。　

　また、来年度からの第２子以降の保育料無償化に１５億２０００万円を計上した。

　来月中にパブリックコメントを行い、年内に策定する。

(札幌市 2023-09-19付)