札幌市　子ども未来プラン実施状況　子ども育てやすい環境　３６・８％に減　物価高騰等で環境厳しく

（札幌市 2023-09-20付）

計画全体の成果指標の達成状況（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市子ども未来局は、第４次さっぽろ子ども未来プランの４年度実施状況報告書をまとめた。成果指標として設定した「子どもを生み育てやすい環境だと思う人の割合」は３６・８％で、前年度と比べて４・６ポイント減少した。市は、コロナ禍での行動制限や物価高騰などによって、子育てを取り巻く環境がより厳しくなっていることが影響したと分析している。

　同プランは、女性の就業率の増加に伴う保育需要の拡大や、子育てに関する悩みの多様化、子どもの権利侵害などの課題に対応し、ニーズに即した子育て施策を総合的に推進するために策定したもの。①子どもの権利を大切にする環境の充実②安心して子どもを生み育てられる環境の充実―など４つの基本目標を設定している。計画期間は２～６年の５ヵ年。

　計画全体の２つの成果指標のうち「子どもを生み育てやすい環境だと思う人の割合」は、３６・８％だった。計画では６年度までの目標値を８０％と設定しているが、前年度の４１・４％から４・６ポイント減少。平成３０年度の当初値からも１４・１ポイント減少した。

　市は「コロナ禍での行動制限や物価高騰など、出産・子育てを取り巻く環境がより厳しくなっていることが、数値に影響を与えている」と分析している。

　また、０～５歳の子どもがいて「子育てに大変さを感じる」世帯は、「楽しさを感じる」世帯と比べて、「子育てによる身体・精神的な疲れが大きい」「話し相手や相談相手がいない」などと答えた割合が高かったことから、支援体制の強化や負担軽減策の検討を進めるとした。

　計画全体の成果指標の「自分のことが好きだと思う子どもの割合」（目標値８０％）については、０・１ポイント減の６７・２％。当初値６７・４％から横ばいの状況が続いている。

　市は目標値の達成に向けて「子どもの体験や参加の機会確保に取り組み、意欲向上や達成経験につなげていく」としている。

(札幌市 2023-09-20付)