渡島３校長会が教育経営研究会　授業と担任制度再構築を　函館美術館・館長招き

（関係団体 2023-10-04付）

渡島地区教育経営研究会

　【函館発】函館市小学校長会（寺本公彦会長）と函館市中学校長会（長谷川秀雄会長）、渡島小中学校長会（大橋宏朗会長）は９月２８日、函館市民会館で函館・渡島地区教育経営研究会を開催した。道立函館美術館の俊行館長が講師を務め、教育の諸課題解決に向けた考えを説明。授業と担任制度の２点を再構築する必要性を訴えた。

　学校経営の諸課題について研修を深めるとともに、管内教育の振興発展を目指すことが目的。３校長会の会員１１２人が参加した。

　開会式では、研究会を主管する市小学校長会の寺本会長があいさつ。働き方改革や後継者の育成など、現代の教育を取り巻く諸課題に触れ「子どもたちの幸せや保護者、地域住民の喜び、教職員の働きがいなど、それぞれのウェルビーイングを向上させるためには、校長がリーダーシップを発揮する必要性がある」と強調。今後の学校経営に役立つ実り多い研修となるよう祈念した。

　教育講演会では、函館美術館の館長が登壇。自身の行政経験を踏まえ、学校教育の現状や課題に向けた取組の方向性などを共有した。

　館長は講演で「複雑化・高度化する時代の中、子どもたちを豊かに育てる教育活動を創造し、保護者や外部人材との対応に心を砕いている先生方に心からエールを送る」と激励。

　一方、指導技術や配慮等は教員一人ひとりの力量に委ねられる学校教育システムでは、学力差や学習規律の不徹底、いじめ・不登校などの課題が発生する恐れがあると指摘した。

　等質な指導の担保や保護者、地域の要望に応えるための方策として、授業と担任制度を再構築する必要性を強調。

　授業の再構築に向けた具体例では、各教科で説明や模範等を指導する際は得意な教員が説明することなどを提案。担任制度の再構築については、担任教諭が果たしている役割を分析した上で「学校の実情に応じた教科担任制を複数人の教員で検討すること、教員一人ひとりが経営の視点を持つことが必要」との考えを示した。

　全体会では、道小学校長会の森田智也会長が一般教育情勢を報告。文部科学省やこども家庭庁の６年度予算概算要求案など国や道の動きを説明した。

　質問事項に対する回答では、道小学校長会の稲上敏男幹事と道中学校長会の北村剛幹事が、研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励の取組事例や「修学旅行の引率業務等に従事する道立学校職員の勤務時間の割振等に関する要領」の一部改正について説明した。

(関係団体 2023-10-04付)