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未来生きる姿目指して　道特連　第７１回檜山・江差大会
（関係団体 2023-10-11付）

特別支援全道大会江差大会開会式

　【函館発】第７１回道特別支援学級教育研究連盟全道大会檜山・江差大会、全日本特別支援教育研究連盟北海道地区研究集会、第６１回檜山管内特別支援学級教育研究大会江差集会が９月２９日、江差町文化会館と江差消防署を会場にオンラインを併用したハイブリッド形式で開催された。道内の特別支援教育関係者約１５０人が参加。研究主題「未来をたくましく生きる姿を目指して～“身に付けさせたい力”を踏まえた授業づくり」のもと、個の能力を引き出す管内４小・中学校の授業実践を公開。記念講演や分科会を通して、特別支援教育の一層の充実を図った。

　全日本特別支援教育研究連盟（名古屋恒彦理事長）と道特別支援学級教育研究連盟（荻澤吐夢理事長）が主催。特別支援教育に携わる道内の教育関係者が参加した。

　開会式では、大会実行委員長を務める厚沢部町立館小学校の佐藤等校長があいさつ。道教委が３月に策定した特別支援教育に関する基本方針について触れ「特別支援教育に対する深い理解と一層の推進が求められている」と強調。「新しい時代に応える特別支援教育の推進を目指し、忌憚のない意見と指導をいただけることを期待している参加者一人ひとりにとって、参加して良かったと感じられる大会となることを願っている」と呼びかけた。

　授業公開では乙部町立乙部小学校、乙部中学校、上ノ国町立河北小学校、上ノ国中学校の４小・中学校が「道徳」「数学」「自立活動」の事前収録動画を公開。分科会は①生活の基礎を育む「体」②生活に生かす力を育む「欲しい」③人間関係を育む「他者理解」④社会にはばたく「喜びが生まれる」の―４つの研究テーマについて代表者が提言発表。大会専用ホームページ上では、道教育大学函館校の細谷一博教授による講演「障がいのある子どもの自立と社会参加に向けて」を公開した。

上ノ国河北小など４校授業公開　子の社会性定着へ工夫　自立活動　校内行事準備で

　大会では、乙部町立乙部小学校（笠松靖史校長）と乙部中学校（宮腰屋由校長）、上ノ国町立河北小学校（笹木央校長）、上ノ国中学校（関田貴人校長）の４校が事前収録した自立活動、道徳、数学の授業を公開。参加者は他者との協力によって児童生徒の社会性や自己表現を磨く豊かな実践を授業別に協議した。

　うち河北小の自立活動（児童数５人）は「小集団で必要となる社会性を身に付けよう」の単元を公開。米谷淳教諭と斎藤浩教諭、松尾奈緒美教諭、丸山裕淑教諭の４人が指導した。活動は校内イベント「河北フェス」の準備から当日までの指導計画６時数。児童が自身の役割を果たし、周囲と仲良く楽しみながら活動できるような実践を披露した。

　教諭らは授業で「お客さんに喜んでもらえるお店をつくろう」と児童の目標を明確化。準備からリハーサルまでの期間、児童は店員役と客役に分かれて、活動内容を体験した。

　ホワイトボードなどを活用し、順序や準備の「見える化」を図ることで、児童が周囲と協力しながら課題解決に向かう姿勢を育めるよう工夫。安心して学びに向かうことのできる環境を整えた。

　４つの公開授業後は、研究協議を実施。北斗高等支援学校の渡辺祐介教頭、檜山教育局の津川周一教育支援課長、道教育大学函館校の細谷一博教授、北村博幸教授が助言者を務めた。