世界的建築家・安藤忠雄氏手がける　北大にこども本の森建設　８年夏ごろ開館目指す

（札幌市 2023-11-10付）

北大にこども本の森建設

　世界的建築家の安藤忠雄氏が手がける子ども向け図書施設「仮称・こども本の森」が北海道大学構内に建設される。安藤氏が設計・建設費を負担し自治体に寄贈するもので、札幌市が運営に参画する。７日、北大と（株）安藤忠雄建築研究所、札幌市の３者で基本合意書を締結。８年夏ごろの開館を目指し、取組を進めていくことを確認した。

　こども本の森は「子どもたちに多様な本を手に取ってもらい、無限の想像力や好奇心を育んでほしい」といった思いから、安藤氏が設計・建設費を自ら負担し自治体に寄贈している図書施設。

　現在、大阪府大阪市、岩手県遠野市、兵庫県神戸市で開館しており、６年に熊本県、７年に愛媛県松山市で開館予定となっている。

　昨年１２月ごろに安藤氏から提案を受けた北大は「これからの未来社会を担う人材を育成できる」と考え受け入れを決定した。

　全国６ヵ所目で、大学構内に建設されるのは初めて。学外からのアクセスが容易な南門付近での建設を予定している。運営に当たっては、北大と包括連携協定を締結している札幌市に協力を依頼した。

　７日、北大事務局で行われた締結式には北大の寶金清博総長、安藤氏、札幌市の秋元克広市長が出席。３者で基本合意書を取り交わした。

　寶金総長は「大学構内に開設する利点を生かし、研究の楽しさや奥深さを伝えるような場として活用していきたい。大学には外国人教員や留学生が多いため、小さい頃から外国人と触れ合う機会が増えるのでは」と期待した。

　安藤氏は「“Ｂｏｙｓ　ｂｅ　ａｍｂｉｔｉｏｕｓ”の精神のもと、アジア全域、世界へ発信できる子どもを育むという意味で一番シンボリックな場所だと感じている」と北大を選んだ理由を述べた。その上で「本を通して科学や技術を学び、新しい時代について考える子を育んでほしい」と話した。

　秋元市長は「新たな知の空間として、札幌市、北海道の子どもたちにとってプラスになるものと期待している」と述べた。

(札幌市 2023-11-10付)