札幌市児相　４年度業務概要　児童虐待相談２２８６件　里親登録８１組増４１１組に

（札幌市 2023-11-13付）

　札幌市児童相談所は４年度の業務概要をまとめた。市児相が対応した児童虐待の相談件数は２２８６件で、元年度以降高止まりの状況が続いている。里親登録数は４年度末時点で４１１組と前年度から８１組増えた。

　子どもが親などから虐待を受けたとして児童相談所が相談を受けて対応した件数は、元年度が２４０１件で初めて２０００件を超えた。２年度は過去最多の２５６２件、３年度は２４０２件。元年６月には市内で当時２歳の女児が虐待され、衰弱死した事件が発生している。

　虐待が疑われる情報の通告件数は前年度と比べて２７１件減の１５７４件。警察や近隣住民からの通告が全体の８割以上を占めている。学校からは６８件だった。

　虐待や経済的理由で親元で育てられない子どもを受け入れる里親の登録数が、４年度は４１１組と前年度から８１組増え、５年前と比べて１・６倍となった。このうち実際に児童を委託している里親は１４０組で、委託率は３４・１％だった。市は、里親の募集や研修などを包括的に担う「フォスタリング機関」を３年度に設置して、広報や啓発を拡充しており効果があったとみられる。

　内訳は、子どもが家庭に戻るまでの間や自立するまで養育する「養育里親」が前年度比７１人増の３２０人。迎え入れる子どもに虐待のトラウマや障害があり養育里親の中でも特に知識や経験が必要な「専門里親」が２８人、養子縁組を前提とした「養子縁組里親」が５０人だった。

(札幌市 2023-11-13付)