文科省 6年度当初予算案 定数改善に5600人 教員業務支援員など支援強化(国 2023-12-26付)
文部科学省は6年度当初予算案を公表した。小学校高学年における教科担任制の加配の倍増など教職員定数の改善に5600人を試算。全小・中学校で配置できるようスクール・サポート・スタッフを倍増するほか、副校長・教頭マネジメント支援員の新規配置、部活動指導員やスクールカウンセラー(SC)の拡充など人的支援の強化に必要な経費を措置した。
一般会計の総額は0・8%増の5兆3384億円。うち文教関係の総額は1・0%増の4兆563億円で、2年連続の増額となった。総額1兆2912億円を盛り込んだ5年度補正予算と合わせて一体的に事業を展開する。
義務教育費国庫負担金には1兆5627億円を計上し、前年度比852人増の5660人の教職員定数の改善を見込む。このうち小学校高学年における教科担任制の加配に1900人、小学校における35人学級に3610人、通級指導に744人など。さらに定年引き上げに伴う新たな特例定員によって4331人の改善を計画している。
スクール・サポート・スタッフの配置人数は前年度の2倍以上となる2万8100人に拡充し、全小・中学校に配置するための予算を措置。学習指導員は前年度と同数の1万1000人、副校長・教頭マネジメント支援員は1000人の新規配置を見込む。
教師人材の確保に向けた新規事業も計画し、大学入学者選抜における「地域教員希望枠」を活用したモデル事業を全国18ヵ所で開始するほか、教師不足に対応する連合体を組織して教員の仕事の魅力ややりがいを発信する新規事業を全国で展開。外部人材の掘り起こし、学校現場とのマッチング、入職支援を推進する。
不登校・いじめ対策では、SC・スクールソーシャルワーカー(SSW)の配置充実を図り、自治体における工夫で最大週40時間の配置を可能に。SCの重点配置校数は2800校増の1万校、SSWは1000校増の1万校に拡充する。
学びの多様化学校(不登校特例校)の設置促進を図るため、設置準備に加えて設置後の運営支援を開始するほか、廃校や余裕教室などの既存施設を改修して活用する支援メニューを創設。端末のアプリ等を活用した「心の健康観察」の導入や校内教育支援センターの設置促進など5年度の補正措置分と合わせ、不登校やいじめ対策を強化する。
特別支援教育では、医療的ケア看護職員の配置人数を810人増の4550人に拡充するほか、保護者の付き添いの負担軽減や看護職員の人材確保・配置方法に関する調査研究に着手。また、特別支援学校用の教科書と連動したデジタル教材を作成し、障がいの特性に応じた端末の活用方法を探る調査研究も開始する。
部活動指導員の配置人数は3461人増の1万6013人へと拡充。地域移行に向けた実証事業には1億円増の12億円を計上し、地域のスポーツ・文化芸術環境の整備に先導的に取り組む地域を「重点地域」として新たに指定することで政策課題への対応を推進する。
(国 2023-12-26付)
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