こども家庭庁 6年度予算案 1割増 5兆2832億円 4・5歳児 職員配置基準を改善(国 2023-12-27付)
こども家庭庁は、6年度当初予算案を公表した。一般会計と特別会計を合わせた総額は、前年度比10%増の5兆2832億円。所得制限の撤廃や支給期間の高校生年代までの延長など、児童手当の抜本的拡充を図るほか、保育士等の処遇改善や4・5歳児の職員配置基準の改善、こどもの自殺対策強化プランに基づく取組の推進費などに必要な経費を措置した。
6年度当初予算案では「“こども未来戦略”に基づくこども・子育て政策の抜本的な強化」を最重点項目に設定。主要事項には「こどもの視点に立った司令塔機能の発揮」など4点を据えた。
こども未来戦略で掲げる「加速化プラン」の主な施策をみると、児童手当等交付金に1兆5246億円を計上。次代を担う全ての子どもの育ちを支える基礎的な経済的支援として、所得制限の撤廃、支給期間の高校生年代までの延長、第3子以降3万円の抜本的拡充を行い、来年12月から支給を開始する。
出産・子育て応援交付金には624億円を配分。妊娠・出産期から0~2歳の子どもに対する支援として、出産・子育て応援交付金による10万円相当の経済的支援に伴走型相談支援を組み合わせるほか、5年度補正予算で措置した「仮称・こども誰でも通園制度」の本格実施に向けた試行的事業にも取り組んでいく。
大学等修学支援費には、5438億円を充て、支援対象を多子世帯や理工農系の学生等の中間層、世帯年収約600万円の世帯に拡大する。
初の改正となる4・5歳児の職員配置基準には、子どものための教育・保育給付交付金に1兆6617億円を計上。30対1から25対1への改善を図り、対応する加算措置を設ける。
保育士等の処遇改善では、5年人事院勧告を踏まえ給与を5・2%引き上げることを可能とする。
放課後児童クラブの常勤職員配置の改善のためのこども・子育て支援交付金として2074億円を配分。常勤の放課後児童支援員を2人以上配置した場合の補助基準額を創設する。
児童扶養手当や、障害児入所給付費等負担金なども拡充。子どもの貧困対策・ひとり親家庭の自立促進や、児童虐待防止、ヤングケアラー等支援、医療的ケア児支援等を拡充し、多様な支援ニーズを持つ子どもの健やかな育ちを支える。
これらを含め、プランによる6年度までの充実額は、国・地方の事業費ベースで1兆1億円程度、政府全体で1兆3000億円程度を見込んでいる。
このほか、こども政策DX推進体制の強化や児童虐待への支援現場体制の強化、こどもの自殺対策強化プランに基づく取組の推進などを新たに盛り込んだ。
(国 2023-12-27付)
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