文科省 公立学校教員採用選考 倍率 過去最低3.4倍 小学校 2.3倍まで下降
(国 2023-12-27付)

 文部科学省は5年度(4年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況を公表した。全体の採用倍率は3・4倍となり4年連続で過去最低値を記録。養護教諭を除く全ての受検区分で倍率が低下し、小学校は2・3倍とこちらも過去最低値を更新した。

 受験者の総数は12万1132人で前年度と比べ5258人減少。対して採用者数は3万5981人で1666人増加した。

 採用倍率は平成12年度の13・3倍をピークに下降が続いている。受検区分別にみると小学校が2・3倍(前年度2・5倍)、中学校が4・3倍(同4・7倍)、高校が4・9倍(同5・3倍)、特別支援学校が2・4倍(同2・8倍)、養護教諭が7・4倍(同7・2倍)、栄養教諭が8・8倍(同9・0倍)。

 採用倍率が最も高かった自治体は高知県で8・5倍、低かったのは富山県と長崎県でいずれも2・1倍。道・札幌市を合わせた採用倍率は3・2倍で全国平均を0・2ポイント下回った。

 採用者数に占める教職経験者の割合は46・9%で2・5ポイント減、民間企業等の勤務経験者は4・0%で0・4ポイント増。

 文科省は、小学校の採用者数が中長期的に安定している自治体で高い採用倍率を維持する一方、採用者数を大幅に増やしてきた自治体で低下していると分析。臨時的任用教員や非常勤講師などを続けながら教員採用選考試験に再チャレンジしてきた層が正規採用に吸収され、既卒受検者数が減少している点を倍率低下の要因として挙げる。

 文科省は今後、引き続き各教育委員会における教員採用選考試験の改善を促進するほか、学校における働き方改革の加速化、処遇改善、学校の指導・運営体制の充実などを含めた教職の魅力向上、教職志願者の増加に向けた施策に取り組んでいく。

(国 2023-12-27付)

その他の記事( 国)

文科省 働き方改革調査 優先事項「部活動」最多 学校徴収金など5項目改善

表  文部科学省は教育委員会における学校の働き方改革の5年度取組状況調査をまとめた。「学校・教師が担う業務の3分類」に係る道内の取組状況をみると、学校徴収金(給食費含む)の公会計化や登下校対応な...

(2024-01-09)  全て読む

文科省 教育DXへ工程表 クラウド・AI活用加速化  次世代校務支援 8年度から推進

教育DXに関するKPIの方向性  文部科学省は教育DXに係るKPI(目標達成に向けた中間評価指標)の方向性をまとめた。6年度に指導者用端末の整備率を100%とするなどのハード・ソフト両面の数値目標を設定。パブリッククラウド...

(2024-01-05)  全て読む

【社説】質の高い教職員集団へ

 教員不足が全国的な課題に挙がる中、優秀な人材の確保には、教職が「若者にとって魅力ある職場」でなければならないことは論を待たない。  本道の教員採用倍率は近年、3倍を割り込む。特に小学校教...

(2024-01-01)  全て読む

ヤングケアラー 支援対象に明記 6年に法改正予定

 政府は、子ども・若者育成支援推進法にヤングケアラーを支援対象として明記する法改正を計画している。6年通常国会への法改正提出を目指す。26日のこども家庭庁児童虐待防止対策部会で明らかにした。...

(2023-12-27)  全て読む

過去最多の6539人 精神疾患の病気休職 道内在職者比 全国平均上回る

 教職員の精神疾患による4年度病気休職者数は6539人と過去最多となったことが、文部科学省の公立学校教職員の人事行政調査で分かった。教職員全体に占める割合は0・71%とこちらも過去最高となり...

(2023-12-27)  全て読む

こども家庭庁 6年度予算案 1割増 5兆2832億円 4・5歳児 職員配置基準を改善

 こども家庭庁は、6年度当初予算案を公表した。一般会計と特別会計を合わせた総額は、前年度比10%増の5兆2832億円。所得制限の撤廃や支給期間の高校生年代までの延長など、児童手当の抜本的拡充...

(2023-12-27)  全て読む

遠隔教育特例校 6年度要件緩和 盛山文科相

 盛山正仁文部科学大臣は22日の記者会見で、中学校を対象とする遠隔教育特例校制度について、6年度から文科大臣の申請を不要とする考えを示した。  同制度は、一部の小規模校で免許状を所有する教...

(2023-12-26)  全て読む

文科省 6年度当初予算案 定数改善に5600人 教員業務支援員など支援強化

 文部科学省は6年度当初予算案を公表した。小学校高学年における教科担任制の加配の倍増など教職員定数の改善に5600人を試算。全小・中学校で配置できるようスクール・サポート・スタッフを倍増する...

(2023-12-26)  全て読む

文科省へ報告義務徹底 学校事故対応指針改訂 意識不明、歯欠損も報告対象に

 文部科学省の学校安全の推進に関する有識者会議は22日の会議で、学校事故対応に関する指針(改訂版)案を示した。学校事故の報告対象を明確化し、死亡事故のほか、意識不明の重篤な事故や身体の欠損(...

(2023-12-26)  全て読む

文科省 社会教育功労者表彰本道から3人受賞 2月9日に表彰式

 文部科学省は20日、5年度社会教育功労者表彰(文科大臣表彰)の受賞者を公表した。道内からは中川原潔利尻町社会教育委員長ら3人が受賞。表彰式は、2月9日午前10時30分から東京都内の文科省東...

(2023-12-22)  全て読む