文科省 働き方改革調査 優先事項「部活動」最多 学校徴収金など5項目改善
(国 2024-01-09付)

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道内教育委員会が特に優先的に取り組むと回答した事項(クリックすると拡大表示されます)

 文部科学省は教育委員会における学校の働き方改革の5年度取組状況調査をまとめた。「学校・教師が担う業務の3分類」に係る道内の取組状況をみると、学校徴収金(給食費含む)の公会計化や登下校対応など14項目中5項目で改善したものの7項目で低下。11項目で全国平均を上回った。6年度に特に優先的に取り組む事項は「部活動」が68・9%と最も高く、「支援が必要な児童生徒・家庭への対応(スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、特別支援教育等の専門人材、日本語指導などの専門的な人材の参画)」「調査・統計等への回答(事務職員による回答など)」と続いた。

 調査は、教育委員会や学校における働き方改革の進捗状況を明確にし、学校の取組を促すため毎年度実施しているもの。学校・教師が担う業務に関する3分類のほか、昨年夏に中教審特別部会の緊急提言でフォローアップの必要性が指摘された事項を中心に調査した。

 調査対象は47都道府県教委、20指定都市教委1728市区町村教委・事務組合など。調査基準日は5年10月1日時点。

 「基本的に学校以外が担うべき」とされる、学校徴収金(給食費含む)の徴収・管理を公会計化、または自治体・教育委員会で行っている割合は8・3ポイント上昇し51・1%に。

 登下校、放課後・夜間の見回りや補導の対応を学校以外の主体が中心に行っている割合も改善したものの、地域人材との連絡調整を地域学校協働推進員などが行う割合は1・2ポイント下降し59・4%となった。

 「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」とされる、部活動指導における外部人材の参画率は1・7ポイント上昇し43・9%で、全国平均を29・3ポイントと大きく下回っている。

 「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」をみると、補助業務における支援スタッフの参画率はやや上昇したものの、学校行事や進路指導等における地域人材や専門人材の参画率は下降した。

 フォローアップの必要性が指摘されて今回調査した項目をみると、5年度当初に標準授業時数を上回っていた場合、6年度以降の見直しを前提に点検し、指導助言を行うと回答した教育委員会は57・2%となった。「実施に向けて検討中」を含めると78・9%で、全国平均を7・3ポイント下回った。

 学校行事の精選・重点化に関しては「すでに実施」が66・7%、「検討中」を含めると85・0%で全国平均を8・3ポイント下回った。

 ICTの活用やパソコンの使用時間の記録などで客観的に在校等時間を把握し、さらに校外・土日・祝日の業務時間を把握している割合は86・1%で、全国平均を2・4ポイント下回っている。

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「3分類」に係る働き方の取組状況(クリックすると拡大表示されます)

(国 2024-01-09付)

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