グローバル人材育成強化へ文科省　高校生海外留学など支援　６年度は１０校　近く公募へ

（国 2024-01-17付）

　文部科学省は高校と国内外の大学との連携を進めるＷＷＬ（ワールド・ワイド・ラーニング）コンソーシアム構築支援事業において、６年度からグローバル人材の育成強化に向けた新たな枠組みを設ける。海外留学を重点とする「アウトバウンド型」と留学生受け入れを重点とする「インバウンド型」合わせて１０校を指定し、コロナ禍の影響で限定的となった海外との交流を促進する。

　新型コロナウイルス感染症は世界各国の大学・学生間交流に影響を及ぼし、日本の留学生数と外国人留学生の受け入れ数は大きく減少。国は質の高い大学や留学生との交流を積極的に進める方針を示しており、諮問機関である教育未来創造会議の提言を受け、令和１５年度までに高校段階の留学者数（３ヵ月未満）を現在の４・３万人から１１万人に、外国人留学生数を６０００人から２万人にそれぞれ拡大する目標を示している。

　ＷＷＬコンソーシアム構築支援事業は、国内外の大学や企業と連携して社会課題の解決に向けた探究的な学びを実現するため令和元年度から開始。６年度はカリキュラムを開発する従来の区分のほか、グローバル人材の強化に向けた新規枠を設定する。

　このうち、海外留学を重点とした「アウトバウンド型」では海外の連携校に対する短期・長期留学、海外研修を重点的に実施。留学生受け入れを重点とする「インバウンド型」では外国人留学生と日本人高校生とが一緒に履修する英語の授業や探究活動を展開する。

　事業期間は３年間。委託先は都道府県や市町村の教育委員会、国立大学法人、学校法人などで、国公私立の高校や中高一貫教育校１０校を指定し、海外連携校との調整や英語による授業など必要な支援を開始する。

　１月下旬から２月上旬にかけて委託先の公募を開始する見通し。

(国 2024-01-17付)