文科省 教員のメンタルヘルス対策 6年度 民間連携で事業展開 委託自治体のデータ分析、助言へ
(国 2024-01-23付)

 文部科学省は6年度から民間企業等と連携した教員のメンタルヘルス対策を開始する。病気休職の原因分析を行うモデル事業を5教育委員会で実施するほか、専門家らで構成する「推進委員会」を設置して事例のデータ分析や提案・助言を行うことで、対策に資する事例の創出や効果的な取組の横展開を図る。

 文科省の4年度調査によると、精神疾患による教職員の病気休職者数は前年度比642人増の6539人で過去最多を記録。在職者全体に占める割合は0・07ポイント上昇して0・71%となり、こちらも過去最高となった。病気休職者の増加は学校現場や児童生徒への教育に大きな影響を与え、教職の魅力低下にもつながる喫緊の課題となっている。

 このため文科省は5年度から公立学校教員のメンタルヘルス対策に関する調査研究事業を開始。沖縄県、神戸市、千葉市、大阪府枚方市、宮城県白石市の5自治体に事業を委託し、病気休職の原因分析や対策に取り組んでいる。

 6年度からは事業をリニューアルし、新たに5自治体を選定してより詳細な原因分析や効果的な取組の充実・深化を図るほか、民間企業等と連携したモデル事業の分析・助言を開始する。

 委託する教育委員会は情報共有や事業計画の立案を担う関係者会議を設置。域内の学校において、教員自信のセルフケアや管理職によるラインケアの促進、心拍数の測定やオンラインによる相談体制などICTやSNSの有効活用、専門家による相談体制の充実などを図る。

 事業を委託する民間企業等は1団体で、専門家、学識者、企業・教育行政関係者、学校管理職などで構成する推進委員会の開催や運営を担う。

 文科省と連携してモデル自治体・学校における事例のデータ分析や進捗管理を行い、事業成果の整理・分析を統括する。

 事業期間は6~7年度の2年間を予定。2月以降、委託先の教育委員会と企業等の公募を開始する見込み。

(国 2024-01-23付)

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