デジタル動画で地域移行を支援　スポーツ庁がポータルサイト　６年度　基礎・専門動画を集約

（国 2024-01-30付）

　スポーツ庁は６年度から、デジタル部活動・地域クラブ活動プロジェクトに着手する。大学、競技団体、民間企業の協力のもと、基礎的・専門的技術を習得する自主学習向けのトレーニング動画を収集したポータルサイトを新設し、部活動や地域クラブ活動のサポート体制を構築する。

　地理的・人的要因によるスポーツ体験格差を解消するため、デジタル技術を活用して部活動・地域クラブ活動のサポート体制を構築することがねらい。

　収集する動画は①土台となる基礎スキルの定着②各競技に特化した専門スキルの習得―の２種類を用意。基礎スキルの動画では、立ち方や姿勢、道具の打ち方や握り方、各競技のルール、スポーツの歴史など自主的に学べる内容を想定している。

　専門スキルの習得に向けた動画は、スポーツ庁の委託事業で作成したコンテンツのほか、各競技団体や企業が独自に制作した動画を掲載する。子どものマルチスポーツ環境の質の向上を図るとともに、学校における働き方改革への貢献も副次的効果として見込む。２月以降に事業者を公募する。

　地域移行の実証事業では、６年度から政策課題に対応する「重点地域」の指定が開始となる。このため「動画コンテンツの活用」も取組の一つとして盛り込む予定で、近く教育委員会向けの公募を開始する。

　スポーツ庁の室伏広治長官は２４日の記者会見で事業の趣旨を説明。「地理的・人的要因によるスポーツの体験格差を解消するにはデジタル動画の活用が効果的な手段の一つ。子どもたちの主体的な学びを後押しし、楽しみながら自身の課題や目標に向かって意欲的に取り組む習慣の醸成にもつながる」と述べ、各競技団体や自治体と連携して動画の活用に取り組んでいく考えを示した。

(国 2024-01-30付)