全国中学校総文祭への架け橋役 北海道中文連が発足 理事長に元札中文連・開発氏
(国 2024-02-09付)

 道内中学生の文化的創造活動の向上・充実を支えようと、NPO法人北海道中学校文化連盟が発足した。1月30日には設立総会を開き、当面の活動として、演劇をはじめとした美術、書道作品の全国中学校総合文化祭に向けた架け橋役を担うことなどを確認した。理事長には、元札幌市中学校文化連盟会長の開発好博氏が就任。開発理事長は「道内中学生による文化活動の励みになれば」と話した。

 中学校の文化的活動を巡っては平成元年、全日本中学校長会で「文化的な諸活動を支援する全国的な組織の結成」に関する提案が出された。5年には、全国大会に当たる第1回文化活動発表会・展示会が開かれ、16年から現行の全国中学校総合文化祭として全国各地で開かれてきた。

 道内の動きをみると、札幌市中学校文化連盟が組織され、全国大会に出品している一方で、全道組織がないため他地域における文化的活動の成果を全国大会につなげる正式なルートがない状況。このため仮組織を窓口として、28年大分大会から札幌市以外の演劇や文化作品などを道代表として送り出していた。

 スポーツ庁や文化庁は令和4年12月、学校部活動および新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインを発出。昨年12月の全国中学校文化連盟理事会で、7年度の全国中文祭静岡大会の主管として、NPO法人日本地域部活動文化部推進本部が担うことが正式に了承された。

 こうした流れを受け、道中学校文化連盟立ち上げに当たって組織をNPO法人化。信頼性のある正式な団体として道内中学生の文化的創造活動の向上と充実を図り、健全な活動と発展を支えることを目指す。

 当面の活動について「全国総合文化祭の架け橋」「北海道の優秀作品の収集、デジタル化」「全道各地の文化活動とのつながりを付ける活動を行う」と設定。専門部として①演劇②音楽③美術④書道⑤文芸⑥科学⑦新聞関係―などを設置することができると定め、道内各地にブロックを設置できることを盛り込んだ。

 近く法人登記する予定。開発理事長は「道内の地域ごとにとどまっていた文化的活動や作品を全国に送り出すことで、中学生の今後の活動の励みになれば」と期待する。

 同連盟の役員はつぎのとおり。=敬称略=

▽理事長=開発好博(NPO法人ゆとりの理事長)

▽副理事長=山本博康(道中学校演劇研究会代表)

▽理事=窪田進二(札幌市太平中校長)、中村宏喜(浦幌町上浦幌中教諭)、佐藤章(NPO法人紋別文化連盟運営アドバイザー)、大谷大輔(札幌市篠路中教諭)、水谷知子(札幌市丘珠中教諭)

(国 2024-02-09付)

その他の記事( 国)

文化部活動の地域移行実証事業 採択数 200自治体に拡充 重点地域は3都道府県 4月中旬決定

 文化庁は部活動の地域移行に向けた実証事業の6年度実施方針を固めた。地域文化クラブ活動への移行に向けた実証事業は200市区町村程度と前年度から2倍以上に拡充。政策課題に対応する「重点地域」に...

(2024-02-27)  全て読む

端末・周辺機器等の国庫補助 現行水準で継続的整備 次期ICT環境整備方針検討へ

 文部科学省は22日に第3回ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループを開き、7年度から始まる次期ICT環境整備方針の検討を開始した。1人1台端末環境を前提に整備を継続するほか、大型提示装...

(2024-02-26)  全て読む

文科省 技術科教員調査 23%が免許非保有 10年度までに改善目標

 文部科学省は14日、中学校技術・家庭科(技術分野)の指導体制に関する実態調査を公表した。技術科教員全体の23%が免許を持たない臨時免許状または免許外教科担任であることが判明。札幌市を除く道...

(2024-02-15)  全て読む

文科省 今期国会に提案予定 8年度から入試厳格化 専門学校の教育充実へ

 文部科学省は、専門学校に大学と同様の入学資格の規定を設ける法改正を検討している。一定の要件を満たす場合「専攻科」の設置を可能とし、大学などと同様に修学支援制度の対象とする。今月下旬に法律案...

(2024-02-13)  全て読む

医療的ケア児保護者負担軽減へ 文科省が調査研究開始 7教委で実施体制検討

 文部科学省は6年度から3ヵ年計画で医療的ケア児保護者の負担軽減に向けた調査研究に取り組む。7団体程度の教育委員会を選定し、関係機関との連携体制、学校の実施体制の在り方を検討し、対策につなげ...

(2024-02-09)  全て読む

GIGA活用へ道教大と内田洋行 22日にセミナー開催 オホーツク4自治体が発表

 道教育大学と㈱内田洋行(東京)は、22日午後1時30分から北見市西地区公民館で「北海道発GIGA活用セミナー冬~地域ごとの特色ある先端教育の可能性を探る」を開催する。オホーツク管内の4自治...

(2024-02-07)  全て読む

文科省 高校DX加速化事業 採択基準定め募集開始 3月末までに1000校選定

 文部科学省は高校DX加速化推進事業の実施要領を決定した。文理横断的・探究的な学びを強化する「DXハイスクール」選定の要件や採択基準を明らかにし、学校設置者からの募集を開始。3月末までに10...

(2024-02-06)  全て読む

文科省 端末の共同調達へ 最低基準や要件決定 タッチペンなど周辺機器も対象

 文部科学省は1人1台端末の更新に向けて新設する「GIGAスクール構想加速化基金」の補助要綱などを決定した。整備対象や各OSに求める最低スペック基準を明らかにし「教員数分の指導者用端末の整備...

(2024-02-01)  全て読む

【解説】生理の貧困 道内対策22%

 経済的な理由などで生理用品を購入できない「生理の貧困」対策に取り組む道内の自治体の割合は22%にとどまり、47都道府県で3番目に低いことが内閣府の調査(5年7月18日時点)で分かった。5年...

(2024-01-30)  全て読む

デジタル動画で地域移行を支援 スポーツ庁がポータルサイト 6年度 基礎・専門動画を集約

 スポーツ庁は6年度から、デジタル部活動・地域クラブ活動プロジェクトに着手する。大学、競技団体、民間企業の協力のもと、基礎的・専門的技術を習得する自主学習向けのトレーニング動画を収集したポー...

(2024-01-30)  全て読む