文科省　技術科教員調査　２３％が免許非保有　１０年度までに改善目標

（国 2024-02-15付）

　文部科学省は１４日、中学校技術・家庭科（技術分野）の指導体制に関する実態調査を公表した。技術科教員全体の２３％が免許を持たない臨時免許状または免許外教科担任であることが判明。札幌市を除く道内の免許外教科担任は２３８人と全国の１４％を占め、全都道府県で最多となった。文科省は今後５年間をかけて指導体制の改善を図り、１０年度までに全国の臨時免許状所有者・免許外教科担任の数をゼロにする目標を示した。

　今回初めて実施した調査で、４年度に全国の公立中学校で技術科の授業を担当していた教員が対象。

　技術科担当教員の総数は９７１９人。うち臨時免許状所有者は５３６人、免許外教科担任は１７０９人と免許を持たない教員が２３％を占めた。

　札幌市を除く道内の技術科担当教員数は４７４人。このうち免許外教科担任は２３８人と北海道全体の５０・２％だった。本道では教員配置数が教科数を下回る５学級以下の学校が全体の半数を占め、授業時数の少ない技術・家庭科免許を所有する教員が未配置となるケースが多いことが背景にある。

　札幌市の免許外教科担任は３人のみ。臨時免許状所有者は道、札幌市いずれもゼロだった。

　文科省は調査結果とともに、各都道府県における指導体制改善計画をまとめた「普通免許状所有者による指導体制の確保および教師全体の指導力向上に関する施策パッケージ」を発表。６年度に全国の臨時免許状所有者・免許外教科担任数を２２４５人に、１０年度にゼロにする目標を打ち出した。

◆技術専科教員　複数校指導拡充

　道教委においては、現行の免許外教科担任２３８人を６年度に２１０人、１０年度にゼロとする目標を明記。

　指導体制の改善に向けて①技術分野専科教員による複数校指導（兼務）の拡充②技術に関する知識・経験・技能保有者に対する特別免許状授与の促進③免許法認定講習による技術免許の取得奨励④専科教員の計画的・着実な採用⑤教員採用選考検査における特別選考の実施⑥遠隔授業活用に向けた検討⑦プログラミング授業の外部人材活用⑧デジタルコンテンツ活用による免許外教科担任への支援―に取り組むとしている。

(国 2024-02-15付)