性犯罪歴の確認を義務化 日本版DBS創設へ骨子案 学校設置者の安全措置も明記
(国 2024-02-29付)

 こども家庭庁は児童対象性暴力等の防止に関する法律案の骨子案をまとめた。教育・保育従事者の性犯罪歴を確認する「日本版DBS」創設に向け、対象事業者や犯罪事実を確認するための仕組みを規定。児童生徒の安全を確保するため教員研修や相談体制など学校設置者が講じる措置も示した。開会中の今期国会に提出する。

 法律案は、生涯にわたり重大な影響を与える児童生徒への性暴力を防止するため、性犯罪前科の有無を確認する学校設置者と民間教育保育事業者(以下、認定事業者)の責務を明確化するもの。

 認定事業者がこども家庭庁に申請を行って雇用予定者の犯罪事実を確認。性犯罪がなければ犯罪歴なしの事実確認書を作成し、申請事業者に送付する。

 前科があった場合、国が本人に内容を事前通知。内容の訂正を請求できる2週間の期間を設ける。本人が訂正請求せず2週間が経過した場合、犯罪事実の確認書を事業者に送付する。

 内定を辞退すれば申請が却下され手続きは完了。

 安全確保措置が義務付けられるのは、幼稚園、学校、高専、専修学校、認定こども園、児童福祉施設、児童相談所など、行政による監督・制裁の仕組みが整備されている施設となる。

 放課後児童クラブ、学習塾、スポーツクラブ、ダンススクールなど民間教育保育事業者に関しては、事業の範囲を把握しきれないことから任意の認定制度を設ける。

 対象となる性犯罪歴は、刑法、児童ポルノ禁止法のほか、痴漢・盗撮などの条例違反を含む。

 また、児童生徒の安全確保のため学校設置者が講じる措置を規定。教員等に対する研修、児童の面談や相談体制の整備、被害が疑われる場合の調査、被害児童の保護・支援などを盛り込む。

 性犯罪歴が判明した場合の具体的な対応や情報の管理体制に関しては、今後策定するガイドラインで示す。

 現在、犯罪歴の確認対象期間の最終調整を進めており、諸外国の事例や再犯リスクに関する実証データなどをもとに近く最終案を決定する。

(国 2024-02-29付)

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