中教審特別部会　処遇改善で議論　教育職級　拡大に賛意　新たな給料表　制度設計を

（国 2024-03-14付）

　中教審の質の高い教師の確保特別部会は１３日に第１０回会議を開き、教員の処遇改善の在り方を議論した。能力・職責に応じ、教育職の職務級を拡大する方針に賛意が寄せられ、国において新しい給料表の制度を設計するよう求めた。

　小・中学校の教育職給料表の等級別基準は、校長、副校長・教頭、主幹教諭、教諭・養護教諭・栄養教諭、講師等の５級制が一般的で、諸手当の算定基礎となっている。

　一方、職務級を独自に拡大する広域自治体もあり、東京都教委は校務運営の重要な役割を担う主任教諭制度を平成２１年度に導入し、６級制としている。

　会議では東京都教委の事例発表をもとに職務の状況に応じた処遇改善の在り方を議論。若手教師へのサポートを充実させつつ専門性を発揮できる学校の体制を構築するため、職務負荷に応じた給与体系を構築する必要性を確認。校内研修や特別支援教育コーディネーターなど、ミドルマネージャーの役割を果たす教員に新たな職級を創設するよう提案し、多くの委員が賛成した。

　一方、都道府県の判断を尊重しつつ移行を促す必要性や「学びあう教職員集団」であるフラットな学校組織の重要性が指摘され、全ての教員の処遇改善につながるよう期待する声が上がった。

　このほか「特別支援教育等の教職員に支給されている調整額については、通常学級において対象児童が在籍している場合は、担任にも支給すべき」「一時的な加重労働に対して勤勉手当を活用してはどうか」などの意見があった。

　次回会議は４月上旬に開催し、引き続き処遇改善の在り方を議論する。

(国 2024-03-14付)