文化部活動の地域移行実証事業 採択数 200自治体に拡充 重点地域は3都道府県 4月中旬決定
(国 2024-02-27付)

 文化庁は部活動の地域移行に向けた実証事業の6年度実施方針を固めた。地域文化クラブ活動への移行に向けた実証事業は200市区町村程度と前年度から2倍以上に拡充。政策課題に対応する「重点地域」には3都道府県程度の指定を計画している。29日の事業説明会で事業の詳細を関係者に周知し、4月15日以降に採択自治体を決定する。

 実証事業は、少子化の中将来にわたり文化芸術に親しむ環境を確保するため、文化部活動の地域連携や地域文化クラブ活動の移行に向けた環境の一体的整備を図る自治体の取組を支援するもの。コーディネーターの配置を含む体制整備のほか、指導者の確保、参加費用負担の支援、関係団体・分野との連携強化、学校施設の活用などが支援の対象で、多様な地域移行のモデル創出を図ることを目的とする。

 5年度は93市区町村を採択。道内からは蘭越町と遠軽町の2町が選ばれ、大学と連携した遠隔指導やコーディネーター配置などの取組を進めている。

 スポーツ庁の実証事業と同様、6年度から先導的に取り組む都道府県を「重点地域」として指定し、政策課題への対応を開始する。政策課題は①多様な文化芸術体験の機会の提供②高校連携や多世代との取組③不登校・障がいのある子の学び場としての役割④文化芸術系大学生やアーティスト人材の活用⑤民間資金の活用⑥地域文化芸術の活動拠点づくり⑦スクールバス活用や地域公共交通との連携⑧楽器・用具等の運搬体制づくり⑨動画コンテンツの活用―の9課題。採択された都道府県は課題の解決に向けて試行する市町村を選定し、取組を試行する。

 全国的な文化芸術団体を選定し、地域移行の課題に取り組む「地域文化クラブ推進事業」では2団体の採択を予定。吹奏楽部など休日の活動日数・時間が多い文化部活動において、指導者の量・質の確保、用具の確保、教員・地域指導者間の連携などの課題解決の実証に取り組む。

(国 2024-02-27付)

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