医療的ケア児保護者負担軽減へ　文科省が調査研究開始　７教委で実施体制検討

（国 2024-02-09付）

　文部科学省は６年度から３ヵ年計画で医療的ケア児保護者の負担軽減に向けた調査研究に取り組む。７団体程度の教育委員会を選定し、関係機関との連携体制、学校の実施体制の在り方を検討し、対策につなげる。

　医療技術の進歩を背景として恒常的にケアが必要な医療的ケア児が増加。令和３年９月の医療的ケア児支援法の施行に伴い、保護者の付き添いがなくても適切な支援を受けられる体制の拡充が求められている。

　文科省は医療的ケア看護職員配置の国庫補助を徐々に拡充し、６年度は前年度比８１０人増の４５５０人の配置を支援する計画となっている。一方、保護者の長期にわたる付き添いや登下校時の送迎に関する負担感は大きな課題となっており、学校における医療的ケアの実施体制の拡充に向けた調査研究に着手する。

　事業を受託する都道府県・市区町村教委は関係部局や関係機関、保護者の代表者などで構成する会議体を設立し、教育委員会による支援体制の在り方や関係機関との連携体制、各学校における実施体制の在り方を検討。特別支援学校や小・中学校で実証を行う。

　また、安全に医療的ケアを実施するためのガイドラインの策定・見直しを行い、保護者の付き添いが必要と判断する場合の考え方、宿泊を伴う校外学習、登下校時の対応を整理。

　安全・安心な研修体制の実施体制の構築にも取り組み、外部機関と連携した研修や看護職員の着任前・着任早期からの研修の実施、外部の研修受託の促進を図っていく。

　現在公募を行っており、３月中旬ごろに委託先を決定する。

(国 2024-02-09付)