【解説】生理の貧困　道内対策２２％

（国 2024-01-30付）

　経済的な理由などで生理用品を購入できない「生理の貧困」対策に取り組む道内の自治体の割合は２２％にとどまり、４７都道府県で３番目に低いことが内閣府の調査（５年７月１８日時点）で分かった。５年度からは学校のトイレに生理用品を配置する自治体が広がりつつあるものの、国の交付金の活用状況は低い傾向にある。

　調査は都道府県・市区町村における生理の貧困に関する取組を実施（検討含む）を把握するため３年度から実施しているもの。

　自治体による独自の取組は「予算措置」が最も多く、次いで「防災備蓄」が多い。過去の調査との比較では、学校等の個室トイレに設置する自治体が増加傾向にある。

　道内では３年８月から音更町が先駆けて小・中学校の保健室に生理用品を配置しており、５年度は道教委が道立学校に配置を開始。広がりつつあるものの独自に取組を実施している自治体は３３自治体だった。

　地域女性活躍推進交付金など生理用品の購入を補助する国の交付金の活用状況を今回初めて調査したところ、２４１自治体が交付金を活用。道内では１０自治体が活用しており、苫小牧市のように学校、子ども食堂、民間シェルター施設に生理用品を配置している自治体もあった。

　生理用品の購入・入手に苦労した女性には「居住地域で無償提供が行われているか分からない」「人の目が気になる」などの声も多い。

　各自治体の取組を調査した結果「中学校入学のガイダンス時、体育の授業、宿泊行事などの際に周知」「ほけんだよりで男女共学で学級指導し保護者にも啓発」などの工夫が行われている。また、意思表示カードやスマートフォン画面の提示によって、本人確認が不要で品物を受け取る工夫を講じている地域もあった。

(国 2024-01-30付)