文科省　端末の共同調達へ　最低基準や要件決定　タッチペンなど周辺機器も対象

（国 2024-02-01付）

　文部科学省は１人１台端末の更新に向けて新設する「ＧＩＧＡスクール構想加速化基金」の補助要綱などを決定した。整備対象や各ＯＳに求める最低スペック基準を明らかにし「教員数分の指導者用端末の整備」など複数の要件を設定した。今後各都道府県で関係条例を制定し、共同調達を開始する。

　ＧＩＧＡスクール構想によって端末の活用が進む中、故障する端末が増加してバッテリーの耐用年数も迫っている。国は２６４３億円を投入して各都道府県に基金を造成し、共同調達などによって計画的・効率的な整備を進める。

　補助金の交付期間は６～１０年度の５年間。予備機を含む端末の補助基準額は５万５０００円で、障がいのある子どもの出入力支援装置は１万円を上限に補助する。

　文科省は１月２９日、補助金の交付要綱、新基金の運営要領、端末の最低スペック基準、端末調達のガイドラインを決定。端末本体のほか、タッチペン、端末カバー、画面保護フィルム、各ＯＳが標準的に提供するソフトウエアや利用するクラウドアカウントも補助対象とした。

　タッチペンはデジタル教科書の書き込みなど必要な付属品であることから、具体的な使用場面を踏まえて仕様を選択する。端末の充電保管庫は補助の対象外となった。

　ストレージやメモリー容量など各ＯＳの最低スペック基準も規定。各都道府県でまとめる共通仕様書を許諾せず、補助金のみを受け取る「オプトアウト」も可能で「高度な教育を行うため高いスペックの端末を導入したい自治体」「共同調達に参画せずとも十分に価格交渉を行うことができる政令市」などが対象となる。

　このほか補助の要件として「教員数分の指導者用端末の整備」「フィルタリング機能の設定」「端末の整備・更新、ネットワーク整備、校務ＤＸ、端末利活用の４計画策定」を各自治体に求める。

　文科省は２月上旬に自治体向けの説明会を開催し、補助金の詳細を周知する予定。その後、各都道府県において基金を造成する関係条例を制定し、域内の市町村が参加する共同調達会議を設立。市区町村が希望するＯＳやオプションなどの需要を調査して共通仕様書をまとめ、調達を開始する流れとなる。

(国 2024-02-01付)