子どもへの性犯罪歴を確認　新法案　国会提出へ大詰め　日本版ＤＢＳ創設へ　こども家庭庁

（国 2024-01-29付）

　こども家庭庁は、子ども関連業務の従事者に性犯罪歴の有無を確認する「日本版ＤＢＳ」の創設に向けた「児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案（仮称）」の最終調整を進めている。教育・保育を提供する事業者の責務や対象を明らかにし、性犯罪歴の確認の義務付けや認定制度の創設を盛り込む。与党との最終調整を経て閣議決定後、今期国会での提出を目指す。

　国が平成２９年度に実施した調査によると性犯罪の５年以内の再犯率は１３・９％と高い傾向にある。

　同庁は教育・保育を提供する業務の従事者の性犯罪歴を確認する「日本版ＤＢＳ」の導入に向けて、有識者会議における意見聴取を経て、関連法案の取りまとめに向けた最終調整に入った。

　法案では、性暴力を防止して児童を保護する事業者の責務、事業・職種、性犯罪歴の確認義務を盛り込む予定。

　学校、認定こども園、保育所、児童養護施設など、学校教育法や児童福祉法に基づき認可を受ける事業者等のほか、子どもに技芸を身に付ける養成所やベビーシッター（個人事業主除く）なども対象とし、派遣や委託、有償・無償にかかわらず幅広く対象に含める方向で調整している。

　確認する犯罪歴は、刑法、児童ポルノ禁止法などの性犯罪のほか、痴漢・盗撮など都道府県等で定める条例違反を対象に含めることを検討している。

　性犯罪歴の確認体制を認定する制度を新たに創設し、認定を受けている旨の表示を可能とすることを示す。

　今後新たにガイドラインを策定して性犯罪歴が判明した場合の対応や情報の管理体制などを明記する予定。

(国 2024-01-29付)