文科省　今期国会に提案予定　８年度から入試厳格化　専門学校の教育充実へ

（国 2024-02-13付）

　文部科学省は、専門学校に大学と同様の入学資格の規定を設ける法改正を検討している。一定の要件を満たす場合「専攻科」の設置を可能とし、大学などと同様に修学支援制度の対象とする。今月下旬に法律案を提出し、可決されれば８年度から施行する。

　実践的な職業教育機関である専修学校は全校に約３０００校あり、このうち専門課程を有する専門学校が９割を占めている。少子化の加速による人手不足の顕在化が進む中、人生１００年時代やデジタル社会の進展も相まって、社会基盤を支える職業教育の重要性が一層高まっている。

　文科省は昨年１月の有識者会議の提言を受ける形で学校教育法の一部を改正する法律案の提出を計画。専門課程の入学資格を「高校等の卒業者に準ずる学力があると認められた者」から大学と同様の「高校等を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者」に変更するほか、在籍者の呼称を「生徒」から「学生」に改める。

　また、最低限必要な学習時間に関する基準を大学や高等専門学校と同様に単位数によって設定を可能とする。

　加えて、一定の要件を満たす専門課程（特定専門課程）を置く専修学校に、修了者がより深く学ぶことのできる「専攻科」の設置を可能とする。短大・高等専門学校の認定専攻科と同様、大学等における修学支援制度の対象とする。

　さらに、特定専門課程の修了者に大学編入学試験を認め、修了者は「専門士」を称することができる。

　教育の質の保証を図るための措置も規定し、大学と同等の項目で自己点検評価を義務付けるほか、外部有識者による評価を受ける努力義務を設ける。

(国 2024-02-13付)