日本版ＤＢＳ創設法案　通常国会に提出　安全確保措置を義務化

（国 2024-03-22付）

　政府は１９日、学校設置者等および民間教育保育事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案を通常国会に提出した。教育・保育施設等で働く職員の性犯罪歴を照会する「日本版ＤＢＳ」を創設するとともに、職員研修や相談体制の確保など初犯を防ぐ安全確保措置の義務化を図る。

　法案は、生涯にわたり重大な影響を与える児童生徒への性暴力を防止するため、性犯罪の前科の有無を確認する学校設置者と民間教育保育事業者の責務を示すもの。事業者がこども家庭庁に申請を行うことで雇用予定者の犯罪事実が確認できる。前科があった場合、国から本人に内容を事前通知し、訂正の請求がなく２週間が経過した時点で犯罪事実の確認書を事業者に送付する。

　対象となる性犯罪歴は刑法、児童ポルノ禁止法のほか、痴漢や盗撮などの条例違反を含む。

　確認の対象期間は禁固刑の場合刑執行終了から２０年、罰金や拘禁刑で執行猶予の場合１０年とした。一方、確認対象期間の長期化を求める与党内の声や、不起訴処分や行政処分で裁判所の事実認定を経ていないケースもあることから引き続き検討する。

　性犯罪の９割が初犯であることに鑑み、職員研修、相談体制の確保、早期把握の面談など学校・保育施設等が講じる安全確保措置の義務化を明記。性犯罪歴がない場合でもその恐れがあるとされた場合、事業者に配置転換などの安全措置を設ける。

　開会中の今期国会で法案を審議し、公布後２年半以内に法律を施行する。今後、性犯罪歴が判明した場合の具体的な対応や情報の管理体制を検討し、ガイドラインとしてまとめる予定。

(国 2024-03-22付)