文科省　教育ＤＸへ工程表　クラウド・ＡＩ活用加速化　　次世代校務支援　８年度から推進

（国 2024-01-05付）

教育ＤＸに関するＫＰＩの方向性（クリックすると拡大表示されます）

　文部科学省は教育ＤＸに係るＫＰＩ（目標達成に向けた中間評価指標）の方向性をまとめた。６年度に指導者用端末の整備率を１００％とするなどのハード・ソフト両面の数値目標を設定。パブリッククラウド環境を前提としたフルクラウド型の次世代校務支援システムは８～１１年度の４ヵ年をかけて導入を進める方針を示した。

　１人１台端末を更新するための共同調達は６年度から開始。今後、各都道府県において基金造成に向けた関係条例の制定や協議体の設立に取り組み、第２期ＧＩＧＡスクール構想に向けた端末の整備が計画的に進むこととなる。

　一方、デジタル化の基盤となるＩＣＴ環境には自治体間格差が生じており、学校・家庭の通信環境などの課題がある。

　円滑な活用の前提条件として文科省は、６年度に全国の学校のネットワーク診断を促進し、７年度に全学校で通信の不具合が生じない環境を整備することを計画している。

　クラウドを活用した校務効率化に向けては個人情報などの過密なセキュリティ上のルールなどの課題もある。このためクラウドに対応した教育情報セキュリティポリシーを全自治体で策定し、８年度は全ての学校でクラウド環境を活用した校務のＤＸの徹底を図る。

　フルクラウド型の次世代の校務支援システムは８年度から導入・活用を進め、１１年度には場所を選ばず校務処理を行うことができる環境を実現する。

　紙・転記作業などの非効率的な手入力作業は一掃し、ＦＡＸでのやりとり・押印は７年度までに原則廃止。不登校、障がい、病気療養、特別な支援、外国人など多様な教育ニーズに対応するＩＣＴの活用を進め、８年度から遠隔授業の配信や授業支援ができる学校を１００％にする。

　今後、専門家や関係者の意見をもとにこれらの数値を確定する。主要なＫＰＩに関しては、ダッシュボードを作成・公開することで見える化を図り、進捗状況を確認する。

(国 2024-01-05付)