６年度予算案編成へ閣僚折衝　小学校教科担任１千９００人　副校長・教頭支援員配置を開始

（国 2023-12-21付）

　盛山正仁文部科学大臣と鈴木俊一財務大臣は１９日、６年度予算案の重点項目に関する閣僚折衝を行った。夏の概算要求どおり小学校高学年の教科担任制の加配人数を前年度の約２倍となる１９００人に改善するほか、教員業務支援員の全小・中学校への配置、副校長・教頭マネジメント支援員の創設に合意した。主任・管理職手当の改善に関しては７年度以降に見送る。

　小学校高学年における教科担任制に関しては、４～７年度にかけて段階的に進める計画を１年前倒しして１９００人を加配。外国語、理科、算数、体育において専門性の高い教科指導を行い、教育の質の向上と教師の持ちコマ数の軽減を図る。

　教員業務支援員の配置を全ての小・中学校に拡大するほか、新たに副校長・教頭マネジメント支援員の新規配置に関する経費を措置する。退職教員、教育委員会勤務経験者、民間企業の事務経験者が担い手となり「教職員の勤務管理事務の支援」「施設管理」「保護者や外部との連絡調整」「学校徴集金の会計管理」などの業務を担当する予定。

　一方、概算要求で盛り込まれた約８億円の主任・管理職手当の改善に関しては見送りが決定。来年春ごろに一定の方向性を示す予定の中教審の議論を踏まえ、給特法などの法制的な枠組みを含めた処遇全体を見直す中、７年度以降の予算で検討することとした。

　盛山大臣は同日の記者会見で、６～８年度の集中改革期間に向けた予算が確保できたとの見解を示し「質の高い公教育の再生に向けて引き続き必要な教育予算を確保し、学校における働き方改革のさらなる加速化や処遇改善、学校の指導・運営体制の充実、教師の育成支援を一体的に進めていく」と表明。副校長・教頭のマネジメント支援員の配置に関しては、７年度から増員などの体制の強化・充実を図っていく考えを示した。

　各省庁の閣僚折衝の結果を踏まえ、政府は近日中に６年度予算案を閣議決定する。

(国 2023-12-21付)