文科省　６年度予算案編成へ　教師の環境整備　最重点定数改善、支援員拡充など調整

（国 2023-12-19付）

　文部科学省は「教師を取り巻く環境整備の充実」を最重点項目として掲げ、６年度当初予算案の編成に向けた調整を進めている。小学校高学年における教科担任制の強化をはじめ、働き方改革の加速化、処遇改善、指導・運営体制の充実、教員の育成支援の一体的な推進を図る。現在、教職員定数の改善や支援員など人員配置について財務省と調整中で、１２月末の閣僚折衝を経て予算案を固める。

　６年度当初予算案は、経済対策として総額１兆２９１２億円を盛り込んだ５年度補正予算と併せ、一体的に編成する見通し。骨太の方針で明記した「質の高い公教育の再生」の実現に向け、概算要求でも示した小学校における教科担任制（外国語、理科、算数、体育）の強化、３５人学級の計画的な整備を目指す。

　また、スクール・サポート・スタッフや学習指導員の増員、副校長・教頭マネジメント支援員の新規配置、主任・管理職の手当の改善についても検討しているが、概算要求で示したこれらの施策が財務省との調整を経てどこまで実現するかが焦点となる。

　教員の人材確保は、大学入学者選抜の「地域教員希望枠」を活用したモデル事業開始を計画。部活動地域移行に向けた実証事業は、５年度補正予算の計上分と合わせて展開するもよう。

　５年度補正予算では、小・中学校の１人１台端末を更新する基金の造成、全国の高校で最新のＩＣＴ機器を整備する「ＤＸハイスクール」など、学校のＤＸの加速化に必要な経費を措置しており、６年度からの取組開始が予想される。

　いじめ・不登校支援の強化も重点の一つ。学びの多様化学校（不登校特例校）や校内教育支援センターの設置促進、端末のアプリ等を活用した心の健康観察の導入、保護者相談やアウトリーチ支援を図る総合的な拠点機能の形成にも着手する予定。

(国 2023-12-19付)