こども家庭庁６年度予算案編成　子ども・子育て政策強化　幼児教育・保育の質向上など重点

（国 2023-12-20付）

　こども家庭庁は、異次元の少子化対策実現を図る「こども未来戦略案」を踏まえ、６年度当初予算案の編成に向けた調整を進めている。子ども・子育て政策の抜本的な強化を重点として、児童手当の抜本的拡充をはじめ、幼児教育・保育の質の向上、子ども・子育て事業の拡充、児童虐待防止・ヤングケアラー等支援への対応などの施策の展開を見込む。財務省と調整を進め、１２月末の閣僚折衝を経て予算案を固める。

　今月１１日に開かれた内閣府のこども未来戦略会議では、多子世帯の大学の授業料を無償化するなどの少子化対策を盛り込んだ「こども未来戦略」案を提示。総額で３兆６０００億円規模の財源を確保する方針を示した。

　これを踏まえ、６年度当初予算案では「“こども未来戦略”に基づくこども・子育て政策の抜本的な強化」を重点項目として調整。児童手当の所得制限を撤廃して支給期間を高校生年代まで延長するほか、児童手当の多子加算を第３子から３万円とする。

　幼児教育・保育の質の向上に向けては、７５年ぶりに４・５歳児の職員配置基準を改善。また、保育士の処遇改善や放課後児童クラブの職員配置の改善を図る。

　子どもの貧困解消を図るため生活支援、学習支援をさらに強化。ひとり親家庭や低所得子育て世帯の子どもに対する伴走的な学習支援を拡充し、新たに受験料を支援する考え。

　高等教育の無償化に向けては、授業料・入学金の免除・減額と返還を要しない給付型奨学金の大幅拡充などを図る。

　障がい児や医療的ケア児への支援も強化し地域における連携体制の強化などの事業を盛り込む考えだ。

(国 2023-12-20付)