札幌市教委　義務教育施設改築　６年度から　３ヵ年工期設定へ　真駒内義務教育新設など２事業

（札幌市 2024-02-07付）

　札幌市教委は、６年度から開始する義務教育施設改築事業において、３ヵ年の工期を設定する方向で調整している。６年度から適用される時間外労働の上限規制に対応したもので、国の負担金の債務負担行為設定上限とされる２ヵ年度を、当初から超えて設定することも視野に入れる。現時点では、真駒内地区義務教育学校新設など２事業が対象。現在、国と協議中のため債務負担行為の設定年次は流動的だが、市教委は柔軟な予算措置とともに計画的・円滑な事業執行に努めるとしている。

　公立小・中学校の改築に当たって各自治体は、文部科学省が予算措置する公立学校施設整備費負担金を活用して整備を進めている。市教委によると、負担金の交付決定は例年初夏になることが多く「年度当初の発注後、３定議会での議決を経て契約に至るスケジュールが通例」だという。

　学校改築は、その事業規模から２ヵ年での整備を進めるケースが一般的で、負担金を活用した事業の債務負担行為設定上限も２ヵ年とされている。

　一方で、国土交通省は公共建築における原則週休２日の適用を呼びかけている。また、６年度から建設業における罰則付き時間外労働上限規制が適用され、工期の長期化が見込まれている。

　このため札幌市を含む指定都市市長会および指定都市議長会はかねてから、国の施策および予算に関する提案（白本）において、公立学校施設整備費負担金の債務負担行為に関して２ヵ年を超えた柔軟な設定を可能とするよう要望してきた。

　市は新年度予算案に、学校施設新改築費として１定補正予算案を含めて１１５億８８００万円を計上。このうち着工初年度に当たる真駒内地区義務教育学校新設と新琴似北中学校改築の２事業について、８年度までの３ヵ年で整備する方針を盛り込んだ。

　真駒内地区新設義務教育学校の総事業費は約６８億円。初年度の事業費に約５億１０００万円を計上している。新琴似北中の総事業費は約４６億円で、初年度には７００万円を見込んでいる。

　契約までのスケジュールは、現段階では通例どおりとなるもよう。

　市発注部局は現在、営繕工事における週休２日の取り扱い改正を含めた検討作業を進めており、５年度内にも結論を出したい考えだ。

　市教委によると、３ヵ年債務の設定年次については現在、国と協議中のため流動的だが「柔軟な予算措置を講じるとともに、計画的・円滑な事業執行に努めたい」としている。

(札幌市 2024-02-07付)