函館市 6年度予算案 プール学習 拠点校、民間活用へ いじめ等対策 SC派遣増
(市町村 2024-02-08付)

 【函館発】函館市は7日、6年度予算案を発表した。一般会計の総額は前年度肉付け補正後と比較して3・7%減の1432億7000万円。教育費は11%減の72億7197万円余りとなった。小学校のプール学習については拠点校方式の導入に加え、新たに民間プールを活用。いじめ・不登校対策では小学校のスクールカウンセラー(SC)派遣回数を増やすなど取組を一層強化する。特別的な支援を要する児童生徒へのきめ細かな支援に向け、支援員や巡回指導員の増員に係る関係費も盛り込んだ。

 教育委員会の主な事業をみると、冷房設備等整備事業費に2億2765万円を計上。夏季の暑さ対策として保健室の常設型エアコン設置や普通教室のスポットクーラー等を導入するほか、7年度以降の普通教室等における常設型エアコン整備に向けた実施設計を進める。

 プール学習の実施経費には4262万円を算出。民間プール4施設の活用や拠点校プールへの移動の際のバス借り上げ料などを盛り込んだ。

 いじめ対策・不登校児童生徒支援では教育環境改善費のうち、小学校のスクールカウンセラー関係経費に743万円、不登校生徒支援非常勤講師配置事業費に1061万円を計上。5年度道教委事業と合わせて年6回派遣していたスクールカウンセラーの派遣回数を拡充するほか、不登校生徒の学びの場として市内中学校で展開しているサポートルームに配置する非常勤講師数を前年度の5人から1人増の6人とする。

 このほか、子ども未来部は新規事業として、子どもの居場所づくり推進事業費に205万円を計上。町会館等における学習支援を通して、児童生徒が安心して過ごすことのできる第三の居場所づくりに努める。 

 企画部では看護系大学の設置に向けた検討会議の開催費に150万円、函館圏域在住者等を対象とした公立はこだて未来大学の入学料・授業料無償化に5272万円を盛り込んだ。

 教育関連の主な事業はつぎのとおり。

▼教育委員会

▽学校ICTサポートセンター運営業務委託料=3000万円―学校ICTサポートセンターを設置し、各学校にサポーターを派遣

▽学力向上推進事業費=3065万円―小学校における算数・理科の専科指導や中学校における免許外教科指導の改善を図るための非常勤講師を配置するほか、円滑な学級運営を行うことが困難となっている小学校での日常的な学習指導・生徒指導を補助する非常勤講師を配置

▽特別支援教育支援員関係費=8839万円―特別支援教育支援員を80人から88人に増員

▽特別支援教育推進事業費=730万円―特別支援教育巡回指導員を2人1チームから4人2チームに拡充

▽教育環境改善費=3447万円―小学校スクールカウンセラー派遣回数増や不登校生徒を支援する非常勤講師の増員、いじめ撲滅に向けた啓発リーフレットの配布など

▽冷房設備等整備事業費(新規)=2億2765万円―市立学校普通教室に対するスポットクーラー等の設置および常設エアコン設置に向けた実施設計費など

▽プール学習実施経費=4262万円―民間プール施設の活用など

▽学校等給食食材購入費支援補助金=1億4047万円―給食食材購入費を助成

▽郷土学習推進費=497万円―市立小学校の児童が縄文遺跡群等を見学する「縄文に触れる学習」を実施

▽特別史跡五稜郭跡環境整備事業費=1500万円

▽文化財建造物保存修理事業費補助金=1億7273万円

▽史跡大船遺跡整備事業費=940万円

▽2024モルック世界大会in函館開催補助金(新規)=100万円

▽函館マラソン大会開催負担金=5100万円

▽「はこだて市民健幸大学」実行委員会負担金=400万円―パラスポーツ・ニュースポーツ・アーバンスポーツなどを体験できるイベントの開催

▽仮称・総合ミュージアム整備推進費=100万円

▽市民会館ワイファイ設備導入経費=303万円

▽文化芸術活動促進補助金=448万円

▽スポーツ合宿誘致補助金=346万円

▼子ども未来部

▽小学校入学祝金給付事業費(新規)=1億3705万円―小学校に入学した子どもの保護者に対して10万円の祝金を支給

▽第2子以降の保育料無償化=6475万円

▽こども誰でも通園制度試行的事業費(新規)=4043万円

▽私立学校運営助成費=1億6770万円―生徒1人当たり4万2000円助成。15施設が対象

▽私立専修学校運営助成費=2919万円―生徒1人当たり4万2000円助成。9施設が対象

▽子どもの居場所づくり推進事業費(新規)=205万円―学校外の居場所づくりを推進

▽地域放課後児童健全育成事業費=11億115万円―学童保育料の軽減実施、放課後児童クラブに対するエアコン設置費用補助など

▽小規模多機能・放課後児童支援事業費=629万円―南茅部地区において放課後児童の預かり事業を10月から開始予定

▼企画部

▽看護系大学等設置検討調査費=150万円―看護系大学等の設置の可能性について議論する検討会議を開催

▽函館圏公立大学広域連合負担金=18億9405万円―運営に係る経費のほか、入学時の3年前から継続して函館市、北斗市、七飯町に住む学部生を対象に公立はこだて未来大学の授業料・入学料を無償化に5721万円を算出

▼保健福祉部

▽生活困窮者世帯学習支援等業務委託料=2323万円―生活困窮世帯の中学生を対象に学習支援を実施。定員を50人から100人に拡充

(市町村 2024-02-08付)

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