中学生部活動送迎定額制乗り合い　帯広市内　３校モデル校に　合同部活動対象　２月土曜　ＴＫタクシー

（市町村 2024-02-09付）

　【帯広発】タクシー事業等を営む㈱ミライズグループのＴＫタクシーは、帯広市内で部活動に取り組む中学生を送迎する「定額制乗り合いタクシー事業」のモデル校を決定した。帯広第四中学校、南町中学校、大空学園義務教育学校の合同部活動に参加する生徒を対象に、２月中の毎週土曜日に実施。保護者の送迎負担の軽減とともに、タクシー需要の創出を目指す。

　同社はタクシー事業を主軸として介護タクシー、保育・託児、児童発達支援・放課後等デイサービスなど地域の幅広い年齢層を支える事業を展開している。同事業は、合同部活動における保護者送迎の負担軽減、タクシー事業の新たな移動需要を創出し、持続可能性の高いモデル構築を目指すもの。国土交通省の「共創モデル実証プロジェクト」の採択を受けて試行している。

　昨年１１月、市教委の協力のもと、市内中学校１・２年生の全家庭を対象にアンケート調査を実施。約２０００人の回答を集約し、送迎に負担を感じる保護者が多いことが明らかになった。同社は「特に冬季は子どもが自ら自転車などで移動できず、送迎が必要になる」としている。

　調査結果を踏まえ、今回の実証事業では、帯広第四中、南町中、大空学園義務教育学校の３校をモデル校に指定した。３校はそれぞれ、サッカーやバスケットボール、アイスホッケーなど全６種目を合同部活動として実施。部員の確保に限らず、学校に希望する部活動がないため他校の練習に参加している生徒もいるという。

　実施日は２月の毎週土曜日で、午前８時２０分までに生徒の自宅から練習場所に向かい、帰宅時は午後０時３０分に練習場所から自宅へと送る。１台４人乗りの電気自動車３台を稼働し、利用料金は１回２００円（往復４００円）。希望する家庭の保護者が利用日の３日前までにウェブ予約し、各車両に設置したクラウド型ＡＩ乗合配車システムが乗車ルートや送迎時間を設定する仕組みだ。

　同社は「合同部活動だけではなく、学校単位の部活動でも事業を希望する声もあった」とし、今後の事業発展に向けて、合同部活動をメインに据えた実証事業に力を注ぐ。

(市町村 2024-02-09付)