中札内村　陸上（かけっこ）教室　子が求める競技を地域で　経験者が指導　希望者は平日も

（市町村 2024-02-13付）

中札内・かけっこ教室

　【帯広発】子どもたちが求めるスポーツを地域で指導しようと、中札内村で「陸上（かけっこ）教室」が開かれた。昨年１２月と１月の計２回の開催に加え、希望者には平日の練習を実施。村教委の高橋慎コーディネーターをはじめ管内の競技経験者が講師を務め、子どもたちに陸上競技の楽しさを伝えている。

　村教委は昨年、部活動の地域移行に関するアンケート調査を、村内児童生徒や保護者を対象に実施。児童生徒からは、中学校部活動にはない陸上種目を希望する声が上がった。

　村教委で部活動地域移行コーディネーターを務める高橋氏は、元順天堂大学陸上競技部で箱根駅伝の経験者であり、現在も女子陸上を指導。十勝管内に在住する、元ホクレン女子陸上競技部主将で現白樺高校男子駅伝部コーチの石橋美穂氏、元帯広商業高校陸上部の押切麻季亜氏とのつながりを生かし、企画を立ち上げた。

　１２月から１月に教室を開いた際、未経験者や大会参加者を含む約２０人の小学生と共に、陸上のクラブチームに所属する中学生１人が参加。組織化せず練習の場を設けた背景には「クラブチーム等との垣根なく、練習できる環境を提供したい」との思いがある。

　全員でウオーミングアップを終えたあと、発達段階に応じた練習を実施。小学校３年生以上および中学生のクラスでは、必要な筋肉を付け、体幹を鍛える動きを交えた練習メニューを行い、座った状態から合図に応じて疾走するなど、瞬発力を育んだ。

　参加した小学生の一人は「陸上競技は初めてで、本格的な指導を受ける貴重な機会になった」「自分の意思で競技を選び、運動できることが楽しい」と笑顔を見せた。

　講師の押切氏は中札内村出身・在住で「自分が子どもの頃は練習のために帯広市内に通っていたため、地域で陸上に触れる機会があることは貴重に思う」「今後も、子どもたちが陸上の楽しさに気付くきっかけづくりに尽力できたら」と話した。

　村教委の高橋氏は「個人種目でも集団で練習することによって、協調性や考えて練習する力が身に付く」「子どもの興味に基づき、個々の能力を伸ばせるような環境整備が、生涯スポーツにつながると思う」と期待を寄せた。

　今回の企画を契機に、希望する児童生徒は毎週水曜日に集まり、高橋氏による指導のもと自主練習を実施。中学生に練習メニューを提供し、主体的に練習に取り組む姿勢やリーダーシップの育成、異校種および異学年交流にもつなげている。

(市町村 2024-02-13付)