道教委 夜間中学等協議会WG オンライン授業 事前打合せが必要 他地域設置仮定し通学問題協議
(道・道教委 2024-02-15付)

夜間中学等に関する協議会ワーキンググループ

 道教委は8日、道庁別館で第3回夜間中学等に関する協議会ワーキンググループを開催した。市町村教委や学校、PTA、民間団体関係者ら12人が出席し「オンライン授業の課題に対する検討」「本道の地域特性を踏まえた夜間中学の在り方」の二つのテーマをもとに協議。構成員からは、オンライン授業について、授業をサポートするスタッフの役割の重要性や授業者とスタッフの事前打ち合わせの必要性を指摘する声などが上がった。

 ワーキンググループは、昨年11月に実施した協議会で上がったオンライン授業を有効に活用した就学機会の提供に関する意見や、道内の教育委員会での夜間中学の設置検討に向けた現状・課題などを踏まえ、具体的な対応策、改善策など、より実効性のある取組について協議するもの。

 開会に当たり、道教委義務教育課の遠藤直俊課長があいさつ。昨年に閣議決定された教育振興基本計画にで全ての都道府県、指定都市における夜間中学の設置促進が明記されていることに触れた上で「広域な本道における学びの機会の充実に向けてそれぞれの立場から忌憚のない意見をいただきたい」と述べた。

 続いて「オンライン授業の課題に対する検討」の協議に移った。

 事務局が昨年10月に札幌市立星友館中学校、札幌遠友塾自主夜間中学、釧路自主夜間中学くるかいの協力のもと実施したオンライン授業の試行実施の結果を報告。実際の授業の様子を映した動画を視聴し、改善策等を検討した。

 動画では、札幌遠友塾の生徒と釧路自主夜間中学くるかいの生徒が各会場で星友館中の桑原成子教諭からオンラインで国語「川柳」の授業を受けている様子を映した。

 構成員からは「その場に行かなくても学ぶことができるオンライン授業の有効性は高い」「サポートするスタッフの役割が重要。生徒の実態を踏まえた授業者とスタッフの事前の打ち合わせが不可欠」などの意見が上がった。

 続いて「本道の地域特性を踏まえた夜間中学の在り方」をテーマに協議。釧路市から、札幌市近郊以外の地域に夜間中学を設置する場合の生徒の通学問題について提起された。

 遠藤課長は「生徒が通学手段として、バスなどの公共交通機関の時間に間に合わない場合、学校の授業時間設定について考えていかなければならない」とし、他県の夜間中学における授業時間等の設定事例を提示。「授業時間の前後に補習や自主学習等の時間を設け、個々に応じた対応をしている学校」や「早い時間から授業として行っている学校」などを示した。

 これを踏まえ構成員からは「仮に釧路市に夜間中学を設置する場合、事前調査が必要だが、授業時間を午後2~6時までにするなどの考え方も検討する必要がある。これに合わせて働きながら通う人などの学習をどう保障していくかも考えていかなければならない」「夜間中学に通う生徒にとって毎日通学ができるということはとても大切なこと。地域の特性も踏まえて、“一人も取り残さない”との考え方で検討していかなければならない」などの声が上がった。

 このほか、小学校段階の学習の理解や学校を休んでいる生徒の関わり方など、特別な教育課程の工夫について意見を交わした。

(道・道教委 2024-02-15付)

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