オホーツク局 産官学連携プロジェクト 地域とつながる教員育成 探究活動やキャリア教育充実へ
(道・道教委 2024-02-15付)

 【網走発】オホーツク教育局は新年度、道教委の教育局政策プレゼンテーションで採択された「教員育成 産官学連携プロジェクト」を展開する。学校と地域、行政との連携強化を目的として、中学校や義務教育学校、高校の教員等を対象にオンライン研修会などを実施する。地域連携の実践例などを学び、自校の探究活動の幅を広げる足掛かりにしてもらうとともに、キャリア教育や進路相談などで必要となる地域企業の情報などについて理解を深めてもらうことで、地域連携のノウハウのある教員の育成を目指す。

 オホーツク局では本年度、政策プレゼンの採択事業として“ふるさとに想いを馳せる心の醸成”をテーマに「オホーツク“きゅん”として“GOOD”プロジェクト パート2」を展開。管内の中学校2校が指定校となり、地元の職業や産業、特産品など地域の特色について学び、地元への理解を深めた。また、地元の高校との連携にも力を入れ、地域人材や地域資源の共有を図った。

 中学生に郷土愛を育むことができたとする一方で、事業成果が指定地域の生徒に限定的で、成果の他地域への共有が難しいという課題も見られた。

 こうした認識に加え、現在、管内の学校が抱えている課題として、中・高共に教員の約2割が初任段階教員であるために、初任段階教員が担任となり進路指導や総合的な学習(探究)の時間を担当せざるを得ないケースが多いことが挙げられる。

 教育活動に必要となる地域に関する情報が不十分であることが要因で「進路指導に苦労している」「生徒が設定した課題解決に向けて、地域の誰にどのように相談していいか分からない」などの声が聞かれている。また、管内企業の状況としては、新規学卒者の就職後3年以内の離職率が高い状況にあり、その原因として「生徒が企業名や職種にとらわれてよく話を聞けていない」「企業をアピールする機会が少ない」などの声が上がっている。

 こうした現状を改善するため、教育局は6年度の新規事業として「教員育成 産官学連携プロジェクト」を計画。教育局がパイプ役となり、中学校・義務教育学校教諭、高校教諭、地域コーディネーターらを対象に、学校と企業、行政機関をつなぐ様々な取組を行うことで、学校が地域、行政と連携する力を高め、子どもたちの成長を支える教員の育成を目指す。

 具体的な取組としては①教員研修②環境醸成③成果普及―の三つを計画している。

 ①では、教員向けオンライン研修会(計5回)を開催する。1、2回目では「社会に求められる人材」をテーマとした振興局職員からの説明や家庭教育サポート企業等からの「企業や職種」についての解説を通して、多様な職種や企業に求められる人材について理解を深めてもらう。

 3、4回目では、地域づくり関係団体から、学校と地域が連携した取組の実例を紹介してもらい、学校における探究活動の幅を広げてもらう。

 最終回では、振興局が推進するゼロカーボン北海道の取組や木育などの取組のほか、振興局との連携の方法について理解促進を図る。研修会の日程は現時点で未定となっている。

 ②では、振興局が作成している「オホーツク ジョブ体験 受入企業リスト」の共同作成に取り組む。教育局が締結している家庭教育サポート企業は現在268社あり、その中から学校連携を望む企業に対して受け入れ企業リストへの登録を促していく。

 ③では、プロジェクトの取組や成果について管内市町村教委や学校、家庭教育サポート企業に年2回「地域連携だより」として発信していく方針。

 教育局は、振興局と連携を図りながらこれらの取組を進め、学校と地域の連携強化を図っていく。

(道・道教委 2024-02-15付)

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