元校長の“学校アップデート！“①　卒業式で子を育て、同僚性高める

（札幌市 2024-02-22付）

来賓が並ぶ基本的な順番（例）（クリックすると拡大表示されます）

　卒業式は、学習指導要領において「儀式的行事のねらいから考えて、全校児童の参加が望ましい」とされています。６年生の卒業を祝い合って喜びを共にし、厳粛な場におけるマナー等の規律や気品のある行動の仕方を身に付けることが、卒業式のねらいです。だからこそ前年度は、コロナ禍であっても全校児童の参加はできると考え、子どもたちは体育館と教室(オンラインによるＴＶ視聴とスクリーンでの参加)に分かれて卒業式に参加し、１～５年生全員が廊下に並んで卒業生を見送りました。もちろん教室でも体育館と同じように厳粛な空気をつくり出し、子どもたちは規律と気品のある態度で参加します。

　体育館に全校児童が入ることができないから特定の学年のみの参加とし、低学年は登校日としないとするのではなく、参加形態を工夫することによって全校児童の参加は可能です。ただし、教職員も体育館と教室に分かれることになる(体育館にいる教職員の人数が少なくなる)ため、教職員がより一層協働で取り組むことが求められます。安易に「できない」と考えず、職員がねらいを共有し知恵を出し合って「こうすればできる」と実現可能な取組をつくり出していくことが、同僚性を高めていくことにつながります。

【重要】管理職が異動しても変わらない順番

　来賓の並ぶ順番は「学校がその人との関係を重要だと考えている順番」です。当然、学校によって異なります。校長や教頭が異動するたびに並ぶ順番が変わるようでは、来賓の方々からの信頼を損なう危険性があります。適当に並んでもらっていると「今回の校長は、自分を○○さんより下に置いている」と、痛くもない腹を探られることになります。管理職が異動しても変わらない「来賓が並ぶ基本的な順番」を決めておくことが大切です。

北原徹也　(北海道特別活動研究会顧問、元札幌市立平岸西小学校長)

(札幌市 2024-02-22付)