医ケア児介助家族の負担軽減で　訪問看護時間数を拡大　１定札幌市議会予特（６日）

（札幌市 2024-03-08付）

　札幌市保健福祉局の成澤元宏障がい保健福祉部長は６日の第１回定例市議会予算特別委員会で、医療的ケア児を介助する家族の負担軽減に向け、６年度から開始する医療的ケア児レスパイト事業などの概要について説明した。

　市が４年度に実施した実態調査によると、医療的ケア児を介助する家族から「医療的ケア児等を受け入れる短期入所施設が少なく、利用を断られることがある」「介助による身体的負担が大きい」などの切実な声が寄せられた。

　一方、事業所からは「人手や設備が不足しているため短期入所の利用を断ることがある」「宿泊時に必要となる看護師の配置が、現在のサービス報酬のみでは難しい」といった実態が浮かび上がった。

　これらを踏まえ、６年度から新たに医療的ケア児レスパイト事業、医療的ケア児等短期入所補助金の支給を開始する。

　医療的ケア児レスパイト事業は、訪問看護の利用時間数を年２４時間上乗せするほか、現状の訪問看護制度では対応できない長時間のケアや自宅以外で支援を受けられるようにする。

　医療的ケア児等短期入所補助金は、人員体制拡充に向け、医療的ケア児の宿泊を受け入れる医療型短期入所事業所に対し補助する。

　事業の利用促進に向けて、レスパイト事業についてはウェブ申し込みの導入など簡易な手続き方法を検討しているほか、当事者団体への周知や事業所への働きかけを進めていく予定だという。

　成澤部長は「医療的ケアを必要とする障がい児が健やかに成長でき、その家族が安心して子育てを行える環境づくりを進めていきたい」と述べた。

　たけのうち有美（民主市民連合）の質問に対する答弁。

(札幌市 2024-03-08付)