札幌中央中　子の声を聴く会　思いの丈を伝えよう　ＣＳ導入へ地域の大人と

（札幌市 2024-03-11付）

子どもの声を聴く会

　札幌市立中央中学校（秀島起也校長）で２月２９日、コミュニティ・スクール（ＣＳ）の導入を見据えた取組として「子どもの声を聴く会」が開かれた。今後のより良いまちづくりや学校生活に生かそうと、子どもと地域の大人たちが活発に意見を交わした。

　主催は中央中学校区健全育成推進会。同会はコロナ禍以前、地域の祭りや花火大会の巡視活動などを行っていたが、昨年１１月の総会で、今後の活動の方向性を「学校で健全に育っている生徒を一層健全に育成する活動」にシフトしていくことを申し合わせた。

　６年度札幌市学校教育で「子どもの声を聴く」を重視する方向性が示されたことを踏まえ、新たな取組として、大人が子どもの声に耳を傾け、現状について理解を深める機会を企画。

　札幌らしいＣＳの特色として、さっぽろっ子自治的な活動を通して子どもの声を反映させることが位置付けられており、同校は将来的な学校運営協議会設置につながる取組として期待している。

　中央中１・２年生の希望者、パートナー校である中央小の児童計２２人が参加。地域からは、近隣町内会の民生委員や児童委員、まちづくりセンター職員、ＰＴＡ関係者らが集まった。

　中央中の１・２年生に実施した事前アンケート結果によると、日頃、地域の人との関わりを感じていない生徒が６割近くに上った。

　こうした状況を踏まえ、各グループで大人と子どもが意見を交わした。

　大人から「子どもたちが地域の行事や取組に参加するには何が重要か」との質問が上がり、子どもたちは「マンションに住んでいると地域の情報があまり入ってこない」「友達と一緒なら参加したいかも。学校にプリントが配布されれば一緒に行く約束がしやすい」「小学生以下の子向けのものが多いと感じるので、中学生や大人が楽しめるイベントがあると良い」などと答えた。

　また、子どもたちが日頃の学校生活で感じていることなどについて意見する場面を位置付けた。「教室にエアコンがほしい」「教科書などを置き勉できないので、荷物が多くて大変」「部活動の活動時間が少ない」など思いの丈を伝えた。

　１年生の小川莉璃さんは「今まであまり地域のことを知らなかったが、地域の大人と話して様々なことが知れたので良い機会になった」と感想を述べた。

　苗穂まちづくりセンターの鍋島宰所長は「子どもたちに、自分からあいさつや声かけをして良いか分からずちゅうちょしていたが、意見を聞いて声をかけて良いんだと分かった」と話した。

(札幌市 2024-03-11付)