札幌市養護教員会が全市研究会 より良い保健指導研鑚 救急処置、心の健康回復など
(札幌市 2024-03-11付)

札幌市養護教員会全市研
札幌市養護教員会全市研究会

 札幌市養護教員会(山本奈保子会長)は5日、ホテルライフォート札幌で全市研究会を開催した。研究主題「養護教諭の職務はいかにあるべきか」のもと、救急処置における適切な対応や、児童生徒の心の元気を取り戻すための養護教諭の役割などについて研究発表した。

 全市研には会員210人が参加。中央、北、東、清田、西の5ブロックがそれぞれ設定したテーマについて発表した。

 中央ブロックは「気軽に楽しく保健教育~アイデアの引き出しを増やそう」をテーマに発表。隙間時間で実践できる保健指導や、保健室に設置されている本を活用した個別指導、中学校における性に関する指導などの実践例を示し、校種別のグループ交流を通して「幼小中の指導のつながりに対する重要性について理解を深めた」とした。

 北ブロックは「救急処置」をテーマに、医学的視点と養護的視点から見た児童生徒への対応について発表した。打撲や捻挫、擦過傷、頭痛、腹痛、熱中症など外科的・内科的分野の計12症例を取り上げ、主訴聴取、救急処置、ヒヤリハットの対応例などを交流し、疾病別に救急処置対応カードを作成。次年度は、児童生徒の力を育むための声かけや指導面に関する研究を進める考えを示した。

 西ブロックは「心の元気を取り戻す養護教諭の関わり~心のもやもやと上手に付き合うには」と題して発表した。児童生徒の心の様子に関するアンケート結果を踏まえ、悩みの原因が「友達や学級、学習面など、様々な理由が複合的に絡んでいる」と分析した。

 「どうして良いのかが分からない」と悩む児童生徒が一定数いることを確認した上で、保健室が「休養」「考える」「つなげる」場所であると位置付け。身に付けさせたい力として①心や体を理解する力②気持ちを表現・伝える力③考えて決める力④心を回復させる力―の4点を挙げ、心の元気を取り戻すための共通理解を図る必要性を説いた。

 このあと、分科会を開催。参加者は、研究テーマに基づき、より良い実践の在り方を目指して討議した。

 また、同日に総会を開き、山本会長の再任、新副会長に栄小学校の北嶋みずき養護教諭を選出した。

 6年度役員はつぎのとおり。

=敬称略=

▽会長=山本奈保子(手稲東中)

▽副会長=北嶋みずき(栄小)―新

▽幹事長=田中朋美(手稲山口小)

▽会計監査=酒井理絵(新川小)―新、伊藤美香(西岡小)―新

(札幌市 2024-03-11付)

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