リニューアルオープン前に内覧会 学びの“チカラ”育み マイナス30℃低温体験施設も 札幌市青少年科学館(札幌市 2024-03-12付)
低温体験施設
「見て、触れて、考える」を展示コンセプトとして4月1日にリニューアルオープンする札幌市青少年科学館。6日には報道機関向けの内覧会を実施し、環境気象と雪氷のエリアを一体的に見せ、体感させる「ガイアタウン」やボディアドベンチャー、イエンスパークなど遊戯性に富んだ「テクノロジータウン」など、科学館の使命である「“科学的な思考を育む”きっかけを与える」をより明確化した展示室を披露した。
昭和56年に開館し、ことしで43年目を迎える同科学館。市民や児童生徒の学びの場として活用される一方、展示物の老朽化とともに、科学技術の急速な進歩に伴い、時代にそぐわない展示物があるという課題が生じていた中、平成30年に札幌市青少年科学館活用基本構想を策定。展示物や施設設備の更新等に当たっての基本的な考え方を整理した上で、令和4年8月から改修工事を進めてきた。
リニューアルコンセプトは「“あたりまえ”の殻を突き破り“新しい学びのチカラ”を育む科学館」。これまで気付かなかったことに目を向ける力や知らなかったことを自ら学ぼうとする力、これまでの常識を疑ってみる力などをこの科学館で育てようというもの。市民にとって身近なテーマである「北方圏の自然とくらし」を新たに「科学的視点」で捉え直すことも展示テーマの一つとしている。
2階は、雪・氷エリア、環境・気象エリア、ディスカバリーコーナーで構成され、気象・気候等に関し、様々な角度の科学的視点で新たに捉えることができる「ガイアタウン」を配置。環境・気象と雪氷は北方圏の科学として連続的なテーマのため、両エリアを一体的に紹介した。
特に従来の2倍ほどのスペースを充てた雪・氷エリアでは、身近な環境について学ぶことができるスノードームシアターやスケルトン、カーリングの体験コーナーを設けている。
また、マイナス30度の世界を体感できる低温プレイグラウンドを設置している。
内覧会では報道陣にも体験の機会が設けられ、8人一グループで参加。
はじめにマイナス10度の部屋で体を慣らしたあとマイナス30度の部屋へ。施設職員がぬれタオルを振り回すと、30秒ほどでタオルは板状に。寒冷状態が目でも確認できる実験を披露した。
5分ほどの時間ではあったが、参加者たちは極寒の厳しさを身をもって体験した。
3階はボディアドベンチャー、サイエンスパーク、サッポロバックステージで構成された「テクノロジータウン」。小学校中学年以上対象で学校教育連携を強化した「ガイアタウン」に対し、幼児や小学校低学年向けのゾーニングで遊戯性に富んでいる。
例えばボディアドベンチャーでは、自分が“食べ物”になって大きな口から消化器官を通り、排せつされるまでを遊具を使って体験。人体・生命の驚異について分かりやすく理解できるほか、科学原理の不思議、まちや生活を支える交通インフラに隠された科学に触れ、様々な体験を通しながら学ぶことができる。
また、映像投影機を新しくしたプラネタリウムを中核とする天文・地球科学エリアは、プラネタリウムを鑑賞し天体に興味を抱いた子どもたちが、2階に設けた宇宙、太陽系、地球、北海道とそれぞれのテーマごとの展示物や音声、画像等を通して科学的な知識を得られるようストーリー性を持たせている。
リニューアルオープンは4月1日。最新の技術で新しい科学教育の場を創出した同科学館。「科学および科学技術に関する知識の普及啓発に取り組み、より多くの方に楽しんでいただける施設を目指していく」としている。
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天文・地球エリア
(札幌市 2024-03-12付)
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