幼保小連携モデル事業全市学習会 全員で1年生育てる 白楊幼・小が成果等報告 札幌市教委
(札幌市 2024-03-13付)

 札幌市教委は4日、幼保小連携モデル園・校事業全市学習会をオンライン開催した。モデル園・校の白楊幼稚園と白楊小学校が、幼児児童の交流活動の充実やスタートカリキュラムの改善など3年間の取組の成果や課題を報告した。

 市教委は、2年度策定の「市立幼稚園の今後の在り方に関する方針」に基づき、発達や学びの連続性を踏まえた幼保小連携・接続の望ましい在り方について研究するため、3年度から5年度までの3年間を期間としてモデル園・校事業を開始。

 モデル園・校に指定された白楊幼稚園、白楊小では①幼児・児童の連携交流活動の在り方②発達や学びの連続性を踏まえた指導の在り方③カリキュラム・マネジメントのための園・学校の体制の在り方―の3点を取組の視点に設定。

 従前から行っていた5歳児と小学5年生の交流活動「5・5デー」の充実を切り口に、目指す姿の共有、共通指導案の活用、スタートカリキュラムの改善などに取り組んできた。

 全市学習会では両園・校の担当者が、座談会形式で3年間の取組の成果と課題を語り合った。

 白楊幼稚園からは主任の滝口久子教諭、本間文子教諭、石川香菜子教諭、白楊小からは教務主任の杉原正樹教諭、武田洋樹教諭、斉藤有彩教諭が登壇した。

 視点①に関わって、本間教諭は「最初は手探りの状態でスタートしたが、共通指導案を作成するうちに目指す子どもたちの姿が見えてきた。こうしたねらいを明確にすることで、活動に向かっていく時に自分が何をすべきか分かってきた」と話した。

 武田教諭は「子どもたちにとって、相手にしてあげたことが100%うまくいったわけではないと思う。より良い活動にするために試行錯誤する姿を通して、粘り強さも育むことができた」と成果を示した。

 ②について、杉原教諭は「昨年、全職員を対象にスタートカリキュラムに関する研修を実施した。全職員で情報や実態を共有し、全員で1年生を育てていくという雰囲気をつくっていくことが大事」などと強調した。

 石川教諭は「1年生の先生に、子どもたちがどこまでできるのか、幼稚園でどこまで経験しているのか、など実際のところが少しでも分かると指導の参考になると思い、スタートカリキュラムの中に盛り込んだ」と伝えた。

 ③について、滝口教諭は「年度の終わりに次年度の計画を確認し合うようにしている。その中で担当者を明確化していくことで持続可能な連携になっていくと考えている」と話した。

 市教委は現在、両園・校の実践などをまとめた「つながる ひろがるハンドブック―札幌市の幼保小連携・接続」を作成中。3月末ごろ市内の幼稚園や保育施設、小学校への配布を予定している。

(札幌市 2024-03-13付)

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