札幌市　ヤングケアラー支援研修　受容する意識が大切　新たに道主催研修と連携

（札幌市 2024-03-13付）

ヤングケアラー支援研修

　札幌市は２月上旬の２日間、市内のかでる２・７で５年度ヤングケアラー支援研修を開催した。今回から道と連携し、現場が求めるより具体的な実践について学ぶ機会として位置付けた。福祉や教育、医療関係者ら延べ１０９人が参加し、支援の在り方などについて理解を深めた。

　研修は、ヤングケアラー支援関係者の対応力向上や連携の深化に向けて４年度から実施している。

　本年度、新たに道主催の「道ケアラー支援関係機関職員等研修」と連携。広域性を生かし多くの事例を持つ道、より住民に近いサービスを提供する札幌市のそれぞれの強みを生かし、基礎編と応用編を道主催、実践編を札幌市主催と位置付けた。

　Ｍｅｎｔａｌ―Ｃｏｎｓｕｌ代表の相内雄介氏を講師に迎え、講義や演習を行った。

　相内氏は「支援に係るどのステージでも要求されるのは“支える力”」とし、信頼関係を築く「ラポール形成」の重要性を強調した。

　当事者から相談を受ける際のポイントとして「共感」「受容」の基本姿勢を提示。「相談する・話すだけでも十分」という姿勢で臨むよう助言し「結果や成果を急ぐと受容性から離れてしまう。相手が拒絶姿勢だったとしても、それを受容する意識が大切」と呼びかけた。

　また、当事者の実態を聞いて「えらい」と評価するのは受容ではないと強調。「ヤングケアラーである状態を自分の存在価値だと思ってしまうことがある」と理由を解説した。

　こうした発言をしてしまった場合は「しっかりと真意を伝え“そうではなくてもあなたの価値は変わらない”とフォローすることが大事」と話した。

　事例をもとにした演習に移り、各グループでアセスメントシートを活用しながら、背景や支援の在り方を探った。

(札幌市 2024-03-13付)